「情報過多対策も視野に」--Bloglinesフレッチャー氏
Bloglines創始者のマーク・フレッチャー氏は、Ask Jeevesによる買収で同社のBloglines担当バイスプレジデントとなった。Bloglinesは、2005年の夏中にもブログ検索エンジンを発表する予定だという。同氏にBloglinesの今後の展望を聞いた。
--ランゾーン氏は、Bloglinesを「ユニバーサルインボックス」と呼んでいますね。
フレッチャー:はい。そして私はこれを「21世紀のホームページ」と呼んでいますが、どちらも同じことを指しています。私は現在、約200のニュースサイトやブログの情報を追っていますが、こういったことはBloglinesができるまでは不可能だったと思います。Bloglinesで購読する情報の多くは、RSS情報ですが、それに加えて株価情報などRSS以外の情報も提供しています。ユーザーは、それがRSS情報であるか否かといった技術的な側面は知る必要がありませんし、そういったものを一切気にせずに使えるのがBloglinesの魅力だと思っています。
--「ユニバーサルインボックス」という言葉からは、どうしてもメールの「Inbox」を想像してしまいますが、Bloglinesは実際にメールサービスも提供していますね。
はい。これを使ってメーリングリストなどの情報も購読できます。電子メールソフトは、この10〜15年ほどあまり大きく進化しませんでしたが、Bloglinesは新しいコミュニケーションツールとしての可能性もあると思います。もっとも、それは大きな戦略のほんの一部でしかありません。
--もうひとつの大きな戦略として、「今夏中に世界トップクラスのブログ検索エンジンになる」と公約しているようですが。
はい。それは今年2月、Ask Jeevesに買収された時からの約束で、Teomaを使った強力なブログ検索エンジンを構築しています。我々はこれまでにも5億のブログをインデックス化していましたが、ブログ検索は普通のウェブ検索とはまったく違った難しさがあります。
「BloglinesとTeomaを融合する」と、フレッチャー氏 |
例えばブログでは、情報の鮮度が重要な意味を持っていて、記事が投稿された直後に検索できるのが理想とされています。また、記事中にリンクが多いのも特徴で、どういったリンクが含まれているかを調べることも大切です。これまで多くの企業がブログ検索に乗り出しましたが、まだ成功している企業はありません。それだけに挑戦のしがいを感じます。
--Bloglinesで重要な鍵を握るRSSですが、最近ではRSSリーダー機能を内蔵したブラウザも増えてきました。Firefoxもそうですし、Safariや次期Internet Explorerなどもそうです。こうしたウェブブラウザは、Bloglinesにとって脅威ではないですか?
いえ、こういったブラウザとBloglinesは全くの別物だと思っています。サイトの更新状況がわかる点ではBloglinesと同じですが、例えば購読しているブログの中身を検索する際には別のツールが必要になります。その点Bloglinesはすべてを統合しているので、使い勝手がいいと言えます。
--これまでのウェブの技術は、より多くの情報を集約する方向にばかり進化してきました。その結果、今では情報過多に悩む人も増えていると思います。私自身、Bloglinesで購読している情報の未読件数がすぐに2桁3桁となり、嫌になってしまいます。こうした状況への対策は考えていますか?
はい。これは今後の重要な問題です。Bloglinesでは、新しい情報フィードを購読することがとても簡単なため、つい次から次へと購読し、情報過多に陥ってしまいます。これからは、いかにして接する情報量を減らすかが重要になっていくでしょう。既にBloglinesとしてもこうした課題に対する研究は始めています。
--それは具体的にどのような技術になるのでしょう。
まだ明確なことは言えませんが、より関連度の高い情報を見つけ出してくる優秀な検索技術も重要な要素でしょう。また、購読している情報にフィルタをかけることも大切です。情報の削減は、いくつかの要素を複合的に絡めて実現するのであって、決してひとつの技術で解決できるものではないと思っています。これは我々にとっても大きな挑戦です。
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