Cisco Systemsは、欧州の新興企業を買収し、家電分野進出の第1歩を踏み出した。
Ciscoは米国時間22日、同社Linksys部門が、株式非公開企業Kiss Technology(本社:デンマーク、ヘルスホルム)を6100万ドルの現金で買収する予定であることを発表した。この買収によりCiscoは、2003年のLinksys部門の買収以来、同部門のために2社を買収したことになる。Ciscoは4月、IP電話製品メーカーのSipura Technologyを買収している。
Ciscoは、Linksysブランドとして、家庭用および中小企業用のVoIP、無線、ネットワーク機器製品を取り扱っている。しかし、文字通り家電製品を製造する企業の買収は、今回が初めてになる。
Kissは、インターネット接続が可能なDVDプレイヤー/レコーダーを製造し、また映像をオンデマンドで提供している。Kissは欧州で、各テレビ局やビデオオンデマンドのサービスプロバイダであるMovielinkなどのコンテンツプロバイダと、すでに提携している。
KissのネットワークDVDプレイヤーは、新興企業Akimbo(本社:カリフォルニア州サンマテオ)が提供するものと類似している。Akimboは、小売業者を通じてプレイヤーを販売するほか、自社サーバでホスティングしたコンテンツを月額10ドルで提供するサービスを行っている。これまでのところ、Akimboのビジネスモデルは、コンテンツに関するに権利の保護の難しさから、軌道には乗っていない。
Kissは、欧州ですでに販売チャネルを確立しており、Ciscoは、そのチャネルを利用した製品の販売を継続する予定だ。しかし、同社は、欧州以外の地域--米国を含めた世界各地で製品をどのように市場に投入する予定かについては明らかにしなかった。
Ciscoは、これまでの買収同様、開発中の製品に買収で得た技術を一部利用する予定だ。Ciscoの幹部は、技術利用に関する計画の詳細を明らかにしていない。しかし、LinksysのJamie Tsao(販売/マーケティング担当シニアバイスプレジデント)は、Ciscoが自社について、インフラを提供する企業であり、家電製品の販売会社ではないと考えている点を強調した。
Ciscoは、テレビ、オーディオ機器、ゲーム機のような家庭用娯楽機器と、PC、ノートPC、プリンタのような製品とを無線ネットワークで接続する、家庭用無線通信分野のリーダーとして自社を位置付けているとTsaoは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス