CJICレポート5:「関連性、スピード、使いやすさ」--アスク ジーブスが語る次世代検索の3原則 - (page 2)

Search 3.0のあるべき姿とは

 「このようにインターネットで起きている事柄は、すべて検索へと通じている」。ランゾーン氏はそう語ると、次世代検索サービス「Search 3.0」がどうあるべきかについて語り始めた。

 ランゾーン氏は、Ask Jeevesを含む検索大手3社のサービスに対するユーザー調査の結果を発表し、「ユーザーが検索サービスに求めていることは、検索結果の関連性の高さと、スピードの速さ、そして使いやすさだ」と指摘、これらをSearch 3.0の必須条件として掲げた。

 現在の検索技術は、1998年に登場したGoogleの「Link Popularity」という概念がベースとなっている。これは、あるサイトが他のサイトからどれだけリンクされているかという、いわばサイトの人気投票に基づいた検索で、主要なサイトを見つけやすい。

 これに対して、リンクの量だけでなく中身の質にも注目したのが、Ask Jeevesが2001年に買収した検索エンジン「Teoma」である。Teomaの考えは、インターネット全体から見た人気度だけでなく、細分化されたトピックのコミュニティ内における人気の度合いを基にサイトの重要度を決めるというものだ。

 ランゾーン氏は、実際にニッチなトピックを検索した結果を披露した。「GoogleやYahoo!もうまく主要なサイトを見つけているが、Askの検索結果ではこうした主要サイトに加え、そのコミュニティ内で人気が高い、小さいながらも情報が充実したウェブサイトをうまく拾うことができる」とランゾーン氏は説明する。

 Ask Jeevesの提供する検索サービスは、Teomaの特性を生かしたものとなっている。例えば「John Lennon」というキーワードで検索すると、最初にJohn Lennonのプロフィールが出てくる。彼がどんな人物かを調べていた人は、この段階で満足できることになる。また、ページの右側には「John Lennonの死について」、「John Lennonの歌について」など、John Lennonについて細分化された話題が並ぶため、そこから検索を絞り込むことができる。

 検索結果のページにはほかにも、BeatlesやLed ZeppelinといったJohn Lennonと関係があるバンド名のほか、他のBeatlesのメンバーやオノ・ヨーコなどの名前も並んでいるため、関連性の高い話題へと検索の幅を広げることもできる。これは、話題ごとにコミュニティを分析するTeomaエンジンならではのサービスで、Ask Jeevesユーザーの間でも人気が高い「ズーム」と呼ばれる機能だ。ただし、残念ながら日本のAsk.jpではまだ実装されていない。

 ランゾーン氏はほかにも、検索結果にカーソルをあわせるとページのサムネール画像が表示される「Binoculars(双眼鏡)」機能や、「風船ガムの発明者は誰?」といった質問を打ち込むと、検索結果を元に質問の答えを導きだす「Web Answers」、検索結果をフォルダに一時保管して再利用できる「My Jeeves(日本では「MyAsk」)」といったサービスを紹介し、「ユーザーにとって使いやすいサービスこそがSearch 3.0だ」と強調して講演を締めくくった。

データを提示して検索の重要性を説明するランゾーン氏

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