コンテンツのメジャーへ挑むインデックスの方程式 - (page 2)

インタビュー:永井美智子(編集部)
構成・文:岩崎史絵
2005年07月08日 10時00分

海外でも携帯インターネットは拡大路線

--海外展開についてはどうでしょうか。日本ほど携帯電話のサービスが普及していないという声も聞かれますが、インデックスの場合、北米、中国、欧州と着実に拠点を展開していますね。

 携帯電話のインターネットサービスは、日本とは発展の仕方が異なるだけで、確実に普及しています。たとえば当社が2004年1月に完全子会社化した北米シアトルにあるMoblissは、Javaアプリのゲームのほかにも企業向けにショートメッセージ配信サービスを提供しており、着実にユーザー数を増やしています。一方、日本ではSMSサービスはそれほど伸びていません。おそらく文字のバイト数や送受信できる情報量の違いが背景にあるのでしょうし、そもそも国ごとに携帯電話の料金体系も異なります。こうした違いを認識し、最適なサービスを提供していけばいいのです。

--現地企業との提携や買収は今後も積極的に展開する予定ですか。

 新しい事業を展開するために、これからも提携はあり得るでしょう。海外の市場は、数で見ると巨大であることは間違いありません。たとえば中国の約10億人の人口のうち、1割が携帯電話のコンテンツを利用するとしても1億人の市場があります。これだけで国内の人口に匹敵します。このビジネスチャンスをつかむには、やはり国や地域ごとに適正なサービスや事業を展開していくことが重要だと考えています。

モバイル産業の未来は日本企業が担う

--国内、もしくは海外を含め、モバイル関連市場の伸びや動向をどのように見ていますか。

 国内の観点でいえば、「モバイル産業」というものが確立されてきたと思います。当社を始め、ほかにもコンテンツ配信企業はたくさんありますし、それぞれが切磋琢磨(せっさたくま)して新しいサービスを作り上げています。

 ただし、先ほども話に出た海外進出ということになると、まだ挑戦中という状態ですね。当社は何とか突破口を開いたので、ここでほかの企業も続いてきてほしいと考えています。なぜなら、広くIT産業において、米国発の有力企業がなかなか出てこないのは大きなチャンスだからです。米国発のデファクトスタンダードではなく、携帯電話の世界では日本やほかの国から発するデファクトスタンダードが採用される。そういうチャンスが広がっています。海外の企業が成長してくるまでの今後2、3年間が勝負となるでしょう。

--すると今後の御社の戦略としては、やはり海外が中心ですか。

 いえ、先ほども申し上げたように、国内のサービスでもやりたい分野はたくさんあります。当面の売上高は60〜70%が国内、30〜40%が海外といったイメージです。海外は潜在市場規模は大きいですが、端末の機能やFeliCaなどのソリューションは日本が圧倒的に進んでいるので、まず国内で成功したコンテンツやソリューションを少しずつ海外にも普及させていきます。

--最終的に、インデックスが目標とするのはどのような企業なのでしょうか。

 目標としているのはハリウッドの映画会社やDisneyなど、コンテンツ産業でグローバルに成功をおさめている企業です。「まだ小さなインデックスが何をいう!」といわれそうですが、メディアとして携帯電話が秘めている可能性は大きいですし、そのチャンスはきっと来ると思っています。

「個人的な将来の夢は?」という問いには、「犬が好きなので、野良犬の問題などを解決するようなビジネスをしたい」と笑顔を見せた

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]