モバイルコンテンツやメディア事業を手がけるインデックスは3月16日、中国の大手モバイルコンテンツプロバイダーであるSkyinfo Telecom Technologyを完全子会社化すると発表した。
同社は、中国を中心とするアジア地域における事業戦略の策定や実行を強化するために、香港に地域統括持株会社としてIndex Asia Pacific Limitedを3月18日に設立する。この持ち株会社を通じて、Skyinfoの持ち株会社であるPower Genius Holdings Limitedの全株式を、3月末に50億〜80億円の範囲で買収する予定だ。
Skyinfoは、中国の携帯電話向けに着信メロディーや待ち受け画面、動画、コミュニティサービス、ゲーム、ショートメッセージサービス(SMS)などを提供している。深せん市に本拠をかまえ、サービスやコンテンツの提供地域は、競争が激しい上海や北京、広東省をはじめとして中国全土に渡る。また、中国最大の携帯電話キャリアであるChina Mobile(中国移動)の戦略パートナーでもある。
中国の携帯電話市場は、2001年に加入台数で米国を抜いて世界最大の市場規模になり、2004年5月には3億台を突破した。その後も、新規加入者数は月間平均で500万人以上という急成長を続けており、中国情報産業部では「潜在市場は6億台を超える」としている。
こうした端末や利用者の普及により、コンテンツ市場も年率50%以上で伸びているという。これまではSMSの利用が成長を牽引してきたが、2004年からはWAP(Wireless Application Protocol)コンテンツの利用が急拡大し、WAPユーザーは前年比9倍の1280万人と爆発的に伸びた。
このように急拡大を続ける携帯電話向けコンテンツサービスにおいて、インデックスはこれまで培ってきたノウハウや技術をSkyinfoに投入することで「中国における市場シェアを2006年に約20%、2007年に約25%を目指し、トップの立場を揺るぎないものにしたい」としている。さらに、同社では「Skyinfoの株式公開も視野に入れ、新規事業の立ち上げやコンテンツ配信規模の拡大に努め、2006年度のインデックスグループの売上のうち50億円を中国市場で達成したい」と意気込む。
Skyinfoの2005年度の業績予想は、売上高が前年度比2.4倍増の1億4376万人民元(1人民元あたり12.6円換算で約18億1137万円)、税引き前利益が同2.9倍増の1億490万人民元(同13億2174万円)と、大幅な増収増益を見込む。
インデックスは、2004年1月に米国のMoblissを、2004年8月にフランスの123 Multimediaをそれぞれ買収し、2004年12月にはオランダのYarosa Entertainmentへ約20%出資、2005年2月には欧州地域を統括する持ち株会社のIndex International Limitedを設立するなど、成長が著しい海外のモバイルコンテンツ市場における事業展開を加速している。そして、今回の中国展開の強化により「日本、欧州、北米、中国の4拠点体制が確立され、国際的なコンテンツの配信網を整備する土台ができた」とし、世界展開を本格化させる。
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