米連邦議会が先週提出された提案を受け入れることになれば、多くのブロードバンドユーザーは今後、電話サービスに適用されてきたものと同じユニバーサルサービス税を負担することになる。
この提案は、1996年電気通信法(Telecommunications Act of 1996)の改正をめぐる論議のなかで持ち上がった。1996年電気通信法は、連邦通信委員会(FCC)が監督するユニバーサルサービス基金(Universal Service Fund: USF)について規定している法律だ。
USFは、低所得者層や高コスト地域、地方の医療機関、学校、図書館に低廉かつ良質なサービスを提供するための支援プログラム。長距離電話や携帯電話、公衆電話のサービスを提供する通信事業者はUSFに売上の一部を支払っている。ほとんどの通信事業者は、USFへの支払いを補うためにユーザーに料金を負担させている。2005年7-9月期については、通信事業者はサービス売上の10.2%を支払うよう義務づけられている。
地方出身の議員で構成される超党派の議員団は、改正案を起草する米下院エネルギー商業委員会宛てに送付した6月28日付けの書簡のなかで、USFは引き続き「業界」から支出される資金によって運営されるべきだと述べたうえで、競争の中立性を確保するため、適用対象となる企業を双方向通信に関わるすべての事業者に拡大すべきだと述べた。これは、インターネット電話のようなブロードバンドサービスを提供する事業者もUSFに参加しなければならないことを意味する。
「われわれは、ブロードバンドなどのような先進的なサービスをすべての国民が利用できるようにし、そのインフラを保護しなければならない」と、同書簡には記載されている。同書簡には62名の下院議員が署名している。
Congressional Rural Caucusの共同議長で、共和党議員のJohn Peterson(ペンシルバニア選出)は書簡の送付日に開かれた記者会見で次のように述べた。「今日のような変化の速い、技術主導のグローバル市場で勝ち残るためには、住民が、インターネット上の情報やデータに、高速かつ大容量、安価なサービスを介してアクセスできるようにする必要がある。民間企業が手頃な価格でサービスを提供することに消極的だったり、あるいはそうすることが不可能だと言ったりするのであれば、われわれがサービスの提供方法を見つけ出す」
ワイヤレス通信の業界団体CTIA(Cellular Telecommunications and Internet Association)のCEO、Steve Largentは声明のなかで「ワイヤレス通信のユーザーは、USFや事業者間補償制度に対応するために、不釣合いなまでに多額の負担を強いられてきたため」、業界をあげて今回の提案を歓迎すると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」