米国の各州/市で現在審議されている数千件の新法が施行されれば、携帯電話利用料の請求額が大幅に増加すると携帯電話業界のロビー団体が警告している。
Cellular Telecommunications & Internet Association(CTIA)のSteve Largent会長は、今週、米ルイジアナ州ニューオリンズで開催された世界最大のワイヤレス業界見本市「CTIA Wireless 2005」で行った講演の中で、米国の一般の携帯電話利用料金に占める州税と連邦税の割合はすでにおよそ17%に達しており、2003年に比べ3%増加していると語った。
Largentによると、カリフォルニア、マサチューセッツ、ニューヨークなどの州では、現在、全部で1541件もの携帯電話に関する法案が審議されているという。Largentは、「(仮にこれらの法案が可決されれば)国民の税負担はますます重くなる」と述べ、さらに「業界の将来に不安を感じる」と付け加えた。
CTIAは、これらの法案に反対するため、Cingular Wireless、Hewlett-Packard、Intelなどの加盟企業に団結を呼びかけている。
Largentの発言は、犬猿の仲である携帯電話業界と州規制当局との新たな衝突を予感させるものだ。現在、州規制当局は、従来の電話向けに制定された法律を新しい電話技術にも適用しようとしている。
この問題について消費者擁護団体は、確かに法案が可決されれば携帯電話利用料金は上がるかもしれないが、それはやむを得ないと主張する。政府が監視しなければ、将来行われる可能性のある携帯電話事業者による不正を阻止できないというのがその理由だ。
そのため、ネブラスカ州やオレゴン州の州議員らは、州規制当局に携帯電話ユーザーの苦情を調査する新たな権限を与えたいとしている。またルイジアナ州の州議員らは、軍関係者に限り、期限前に契約解除した場合の違約金の支払いを免除したい考えだ。
カリフォルニア州の規制当局は、消費者に有利な携帯電話に関する規則を制定したが、わずか8カ月後に、Arnold Schwarzenegger州知事の命により、施行を一時停止した。
携帯電話業界団体は、これらの法案は携帯電話事業を制限するものだと主張している。
CTIAの広報担当、Joe Farrenは、「従来の固定電話のための規制を携帯電話に適用するなんて、まるでわれわれが独占企業であるかのような扱いだ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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