サンフランシスコ発--Sun Microsystems幹部は米国時間28日、デスクトップコンピュータ向けのLinuxオペレーティングシステム(OS)を販売する戦略を後退させる予定であることを明らかにした。
Sunのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントJohn Loiaconoは米国時間28日、当地で開催中のJavaOneカンファレンスで開かれた記者会見の席上で、「Java Desktop System(JDS)」は製品として今後も存続するが、主にSolarisオペレーティングシステム(OS)に基づいたプログラマ向けのソフトウェアになると発言した。
「JDSにおけるLinux色は弱まるだろう」とLoiaconoは述べ、「戦略を若干変更した」と付け加えた。
3年前にこのプロジェクトを立ち上げたときと比べると、同社は大きく方針を転換している。SunのCEO、Scott McNealyは当時、JDS(当時は開発コード名をつかって「Project Mad Hatter」と呼んでいた)について、サーバとLinux PCを組み合わせることで、Microsoft Windowsより高い費用効果が得られると主張していた。また、その際、サーバ1台とPC100台でJDSを導入した場合にかかる費用は5年間で約30万ドルだとSunは述べていた。同社はその後、JDSがNovellの所有するSuSEのデスクトップLinuxバージョンをベースにしたものであることを明らかにした。
McNealyは2002年9月、Mad Hatterについて「多くの支持が業界から得られると思う。すべてを正しい方向に向かわせることができたと確信している」と述べていた。
だが、Mad Hatterは普及せず、Sunには多くの課題が残されたとYankee GroupのアナリストDana Gardnerは述べる。「Sunには、多くのやるべきことがある。研究開発において、わずかな金額とも無駄にはできない。無駄にしようものなら、ウォール街から、厳しく追及されてしまうからだ」(Gardner)
Sunの考えが再度変わる可能性は十分にあるとGardnerは付け加える。「Sunは、機会さえあれば、大手の(通信サービス)事業者に対して、デスクトップ環境をサービスとして提供することのメリットを喜んで提案するだろう。おそらく、通信事業者側の条件が整うまで、JDSを裏に控えさせるつもりなのだろう」(Gardner)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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