Sun Microsystemsは、同社のオープンソース・デスクトップ・ソフトウェアの利用について、日本政府が承認を与えたことを発表した。
Sun関係者が米国時間10日に明らかにしたところによると、経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が、教育現場におけるオープンソースソフトウェアベースのデスクトップ環境の実用性を探る実証実験で、Java Desktop System(JDS)を評価することに決定したという。同省では現在、同デスクトップ・ソフトウェアを評価中だが、JDSの導入を約束したわけではないと、この関係者は付け加えた。
JDSは、Linux OSとSunのオープンソース・オフィススイートであるStarOfficeをバンドルしたデスクトップ向けの製品だが、同社ではSolaris版も販売している。また、ウェブブラウザやStarOfficeといった個々のコンポーネントは、Windows上でも動作する。
Sun社長のJonathan Schwartzは自らのBlogの中で、日本の行政機関がJDSに関心を示したことは、デスクトップ市場への進出を狙う同社の戦略の正しさを証明するものだと述べている。この戦略について同氏は、PCをさらに手ごろな価格にすることで販売台数が伸びるため、Sunのバックエンド向けソフトウェアやサーバ、サービスへの需要もその分増加する、と説明している。
SunではJDSを、たとえばコールセンターやキオスクなど、利用するアプリケーションが限定されるPCの市場に売りもうとしているとSchwartzは述べている。
同氏は、Sunが他のPCメーカー各社にアプローチしたものの、これらの企業では代々MicrosoftやWindowsと密接に結びついているため、その多くがJDSの導入に興味を示さなかったとも記している。
「彼らは利益確保を優先しており、PCの低価格化には興味がないようだ」と同氏は語る。
昨年11月、Sunは北京政府がサポートする中国企業連合のChina Standard Softwareと、JDSの利用に関する契約に合意した。この提携の目標は、中国国内での販売に向けてJDSをバンドルした低価格PCを数百万台製造することにあったと、Sunは述べている。
Sunでは、Java Enterprise System(JES)と呼ばれるサーバ・ソフトウェア・スイートでも、JDSと同様にユーザーごとに一律料金を徴収する価格モデルを採用している。Sunはまた、この10月にVodafoneとの間で、26カ国におけるJESコンポーネントの利用に関する契約を交わしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」