米Microsoftと警察庁情報通信局情報技術解析課は6月28日、技術協力協定を締結したと発表した。Microsoft 会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が、シンポジウム「インターネット社会を迎えて 市民に迫られる安全対策」の基調講演にて明らかにしたもの。
情報技術解析課(旧技術対策課)は、警察における犯罪取り締まりで情報技術の解析を実施する部門として、1999年4月に設置された。同課では、サイバー犯罪等に関連したデジタルデータの解析やインターネットセキュリティ情勢の分析、またサイバー攻撃におけるインフラ防護に取り組んでいる。
「安全対策は、技術のみならずユーザーの認識向上が大切」とビル・ゲイツ氏 |
ゲイツ氏は、「インターネットの発展は勢いを増しており、ユーザーに大きなメリットをもたらしているが、同時にサイバー犯罪も増加している。しかもそれは日々悪質化し、高度化している」と現状を説明し、「こうした犯罪に対抗するために、官民の協力は不可欠だ。今回の警察庁との協力は、こうしたサイバー犯罪の撲滅に向けた重要な第1歩となる」と述べた。
今回の協定における具体的な内容は以下の通り。
基調講演でゲイツ氏は、今回の警察庁との協定以外にも、カナダにて行方不明の子供の調査におけるデータベース化に協力したことや、日本政府が推進している「教育のネットワーク化運動(ネットデイ)」および「情報モラル教育」などで官民協力を行っているとアピールした。
サイバー犯罪の対策については、Microsoftも技術的な取り組みを行い、セキュリティ更新プログラムを定期的に配信するなどしているが、ゲイツ氏は「ユーザー自身も認識を高めることが重要だ」としている。ユーザーに対するアドバイスとしてゲイツ氏は、「常に安全対策を施し、ネット詐欺やオンライン犯罪の最新の手口や情報を手に入れておくこと。また、ソフトウェアは常に最新のものを利用し、最新技術でデータやPCを守ってほしい」と述べた。
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