Microsoftの次期Internet Explorerは、スパイウェアなどの悪質なソフトウェアによるPCの乗っ取りを防ぐように設計されるという。Microsoftの開発者が明らかにした。
MicrosoftのIEセキュリティ担当プログラムマネージャRob Francoは9日付けのブログのなかで、次期Windows「Longhorn」(開発コード名)向けの「Internet Explorer 7」に、「Low-Rights IE」と呼ばれる機能が搭載される予定であることを明らかにした。この機能を使うと、ユーザーに付与される管理者権限を制限することが可能になり、スパイウェアをはじめとする未知のアプリケーションが、システムに勝手にインストールされることを防止できるようになるという。
「ユーザーが自身に与えられた限られた権限の範囲内でプログラムを動かす方が、システム管理者権限の下でプログラムを動かすよりも安全だ。なぜならば、Windowsには、悪質なコードが破壊的な活動を行うことを防ぐ機能があるからだ。『User Account Protection』という仕組みの下では、ユーザーが明示的に管理者権限をプログラムに与えない限り、ユーザーがダウンロードして起動した全てのプログラムの活動は制限される」とFrancoはブログに書いている。Francoは、Microsoftの広報担当の確認を受けて、このブログを執筆している。
Francoによると、ウェブにアクセスするユーザーの権限を限定することにより、当該ユーザーがブラウザの脆弱性を突こうとする悪質なウェブサイトを訪れた場合も、問題を防ぐことができるという。
「攻撃者はウェブサイトのコードを使って、ユーザーのPCにソフトウェアをインストールしたり、スタートフォルダにファイルをコピーしたり、ブラウザの設定を変更したりすることができなくなる。Low-Rights IEの最大の目的は、脆弱性の影響を抑えることにある。これにより、脆弱性がユーザーに与えるダメージを制限できる」(Franco)
Frost & Sullivan AustraliaのセキュリティアナリストJames Turnerは、管理者権限を制限することは非常に重要なことだと述べたうえで、この部分こそ、Microsoftの対応が非常に遅れていた箇所だと述べる。
「日常的にルート権限で作業することなど、Unix管理者には考えられない。Unix管理者がルートユーザーとしてログインするのは、特別な作業を行う場合のみだ。一般ユーザーに管理者権限を持たせるべきでないというのは、随分前からWindows管理者の間でも指摘されてきた問題だ」(Turner)
MicrosoftのFrancoによると、IE7はWindows XP SP2でも利用できるが、Low-Rights IEの機能はLonghornでしか利用できないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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