Microsoftが、パートナー企業に対する法的な保護の強化を再び図っている。その一環として同社は、業務機密に関連する申し立てについて補償範囲を拡大し、また、小規模なコンピュータメーカーに対する賠償請求の一部を負担する方針を打ち出している。
Microsoftは、今回の変更に関する発表を米国時間23日に行う予定。この取り組みを通してMicrosoftは、同社製品を再販するコンピュータメーカーやその他の企業に対する保護策を強化し、これらの企業によるMicrosoft製品の使用が営業秘密法に違反しているという申し立てが起こった場合に備えていく。同社はすでに、著作権/商標/業務機密に関する損害賠償補償サービスを、これらの企業に提供している。
今回の決定は、Linuxオペレーティングシステムを打倒するというMicrosoftの戦略の一環である。同社はほかにも、システムビルダーという小規模なコンピュータメーカーの保護策も拡充した。もっともこれは、大規模コンピュータメーカーに提供している無制限の保護とは異なり、2年の間にMicrosoftとともに上げたビジネス上の成果を基準とするものになるという。
Microsoftには、同社製品のほぼ全顧客を保護する施策がすでに存在する。2003年7月には、同社がそうした損害賠償請求に関して負担する金額の上限が引き上げられている。
Microsoftで知的財産のライセンシングに関わる取り組みを率いるDavid Kaeferは、「当社では、補償のレベルを徐々に引き上げてきた」と話している。
Kaeferによれば、こうした最近の動きの主目的は、特許所有者が知的財産訴訟を起こして、Microsoftを間接的に攻撃しようとするのを防ぐことだという。
「何か問題があるなら、Microsoftへ申し立ててもらいたい。当社の顧客やパートナーを煩わせるべきではない」(Kaefer)
Kaeferは同時に、Microsoftが提供している法的保護は、特にオープンソース関連の競合企業に対抗するセールスポイントでもあると認識していることを明かした。Microsoftは、同社が展開している「Get the Facts」反Linuxキャンペーンのなかでも、Windowsの利点の1つとして法的保護を挙げている。
Microsoftソフトウェアが稼働するシステムを販売するコンピュータメーカーに対する訴訟は、これまでも何度か起こされているとKaeferは言う。例えば過去には、LucentがコンピュータメーカーGatewayおよびDellを、Microsoftの製品に関係した件で提訴したことがある。しかしながら、小規模な「システムビルダー」に対する訴訟で公にされている例については、Kaeferは挙げることができないとした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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