「Get the Facts(事実を知ろう)」と題したキャンペーンでLinuxに対する攻撃を展開してきたMicrosoftだが、今度は同オペレーティングシステム(OS)全体ではなく、Red HatとNovell、IBMにはっきりと的を絞ることで、この取り組みを強化している。
Microsoftプラットフォーム戦略担当ゼネラルマネージャーのMartin Taylorは米国時間15日に行われたインタビューのなかで、今回の戦術は、Linuxユーザーの大多数が、フリーのソフトウェアをダウンロードするのではなく、プロプライエタリなソフトウェアを購入しているという事実をもとに練られたものだと述べた。このキャンペーンでMicrosoftは、自社の製品をライバル製品、たとえばJavaソフトウェアを実行するRed Hatのアプリケーションサーバソフトウェアなどと比較していくという。
「このキャンペーンはLinuxではなく、Red HatやNovell、IBMを狙ったものだ」(Taylor)
Taylorは、Linuxやオープンソースといった脅威への対策を担当するMicrosoftの経営幹部だ。Unixの後継とされるLinuxは、これまで多くの場面で、Microsoftを駆逐してきた。知的財産を共有しながら開発者同士で協力しあってソフトウェアを仕上げていくプログラミングのモデルは、ソースコードを厳重に保護するMicrosoftのプロプライエタリなアプローチとは真っ向から衝突する。
同氏が進めている取り組みには、調査会社の各種調査に資金を提供したり、「Get the Facts」広告キャンペーンを展開したり、Microsoft幹部にオープンソースソフトウェアは「ガン」だとか「アメリカ的ではない」だとかいったような扇動的なコメントをこれ以上させないようにするといった活動も含まれる。Taylorは世界各地で顧客に会い、同社のこの攻撃的なキャンペーンを欧州にも拡大し始めた。
Taylorは、Red HatやNovellのようなLinuxベンダに的を絞ることにより、ソフトウェアユーザーに対してより説得力のあるキャンペーンを展開できると述べる。その一方で同氏は、学生やプログラマの関心をひくには、別の戦術が必要であることをMicrosoftでは認識していることも付け加えた。なぜなら、学生やプログラマは実利的な側面だけでなく、オープンソースのソフトウェアがもつような哲学も重視するからだ。
学生ユーザーの取り込みについてTaylorは、「(Microsoft製品の)どういう点が『カッコいい』か少し分析してみる必要がある」とコメントした。これまでMicrosoftは、学生の興味をひく取り組みの一環として、学習カリキュラムを用意したり、Imagine Cupのようなプログラミングコンテストを開催したりしてきた。
同社最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerの7月のスピーチによれば、「誰よりも先にクールであること」は、誰よりも先に商品を出し、誰よりも先にたくさんお金を儲けることと並んで同社にとって重要なテーマになっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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