Sun Microsystemsが、「GlassFish」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、新たな方法でJavaサーバソフトウェアの共有を実現しようとしている。同プロジェクトでは、部外者もプロジェクトのソースコードに修正を加えることができる。だが現在のところ、このプロジェクトは、Javaサーバソフトウェアをオープンソース化するという位置付けのものではない。
Sunは米国時間6日、GlassFishプロジェクトをひそかに立ち上げた。同社は、サンフランシスコで27日から開催されるJavaOneカンファレンスにおいて、同プロジェクトに関する発表を行う予定である。このプロジェクトでは「Sun Java System Application Server Platform Edition 9」を、Java Research License(JRL)の下でリリースする。JRLでは、ソースコードに対するアクセスは許されているものの、ソフトウェアの再配布や研究目的以外での使用といった、オープンソースとしての種々の特権は提供されない。
Sunはこの件について、「GlassFishは、Sunの開発プロセスに関わるための窓口であり、入り口だ。開発コミュニティに参加したメンバーは、ソースコードを参照し、改善を提案し、技術的な議論に加わることができる」とウェブサイトに記し、続けて「Sunと大規模なエンタープライズJava開発コミュニティの間のパートナーシップを刷新したものが、このGlassFishプロジェクトである」とした。
同プロジェクトはあるいは、Javaを開発したSunによる、Javaアプリケーションサーバをより適切なものにする取り組みの新たな形と言えるかもしれない。Sunのアプリケーションサーバは、競合企業であるIBMやBEA Systems、JBossなどの製品と比べ、人気の点で遅れをとっている。同社は2003年、同製品の普及を促進するために、「Platform Edition」の無償提供を始めていた。
アプリケーションサーバソフトウェアは、銀行やその他の先進的なインターネット利用企業で広く使われている。これを利用すると、さまざまなプロセッサやオペレーティングシステム(OS)を搭載するサーバ上で、同一のJavaプログラムを稼働させることが可能になる。
GlassFishプロジェクトの立ち上げ前には、Sunは5000万ドルを投じて「共有」に焦点を当てたキャンペーンを行い、「Solaris」OSを初めてオープンソース化した。しかし、GlassFishはまだオープンソースソフトウェアとされていない。
JRLの下でリリースされるソフトウェアは、ライセンス規約によって、「初期的な研究および開発プロジェクト」にのみ利用することができると定められている。同規約にはさらに、「任意のJRLプロジェクトを生産用として利用したり、他者に配布したりする場合は、商用協定を締結し、Javaの互換性要件を満たさなければならない」と記されている。
Burton GroupのアナリストAnne Thomas Manesは、「Java製品を真のオープンソースライセンス下で提供することでSunが得るメリットは大きい」と分析している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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