Sun Microsystemsは米国時間14日、Solarisをオープンソースのソフトウェアとして公開すると見られている。これは、失われた存在感を取り戻し、競合するRed Hat、IBM、Microsoftに対抗するために同社が描く計画の中心となるものだ。
Sunは、オペレーティングシステム(OS)の核となるカーネルやネットワークコードなど、あわせて500万行を超えるソースコードを「OpenSolaris」サイトで公開すると、Tom Goguen(Solarisマーケティング責任者)が明らかにした。インストール用のツールや管理ツールなど、一部のコンポーネントのソースコードは後から公開される。
Sunの計画通りにすべてが運んだ場合、Solarisは、Sun社内にいる約1000人のプログラマが開発する製品ではなくなる。「ファイアウォールの内側で行われていた作業が、ファイアウォールの外側でも始まる」(Goguen)
Solarisは、1990年代後半のドットコム全盛期に、最も多く使われているUnixとして一躍有名になった。しかし、Unixと共通点の多いオープンソースのLinuxの人気が高まるなかで、同OSの人気は低迷した。
IBMとRed Hatは、Linuxの人気上昇に大きく貢献した。同時に、MicrosoftのWindowsを利用するユーザーの数も増えている。Windowsは、Linuxと同じく、x86プロセッサを搭載した主流のサーバで動作するが、Sunがx86サーバを投入したのはつい最近のことだ。
Solarisのオープンソース化により、Sunは、将来のコンピュータ管理者や購入決定者となる学生のような開発者に、Solarisを売り込みたいと考えている。この背景には、開発者の数が増えれば、ユーザーの数も、ソフトウェア会社との提携も増え、いずれはそれがさらに多くの開発者を生むという同社の思惑がある。
しかし、Linuxとの競争は厳しい。Linuxには未成熟な点も多いが、Solarisが一企業の開発した製品であるのに対し、Linuxには、オープンソースのプログラマがつくる活発なコミュニティが付いている。このコミュニティには、Red HatやNovellなどのディストリビュータや各大学のほか、IBMやHewlett-Packard(HP)のようなサーバベンダー、チップメーカーのIntel、そしてデータベースメーカーのOracleからもメンバーが参加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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