「GPSより正確」:米新興企業がWi-Fi測位システムを提供開始 - (page 2)

Marguerite Reardon (CNET News.com)2005年06月21日 15時55分

 無線およびモバイル技術を専門とするコンサルティング会社Farpoint Groupの代表であるCraig Mathiasは、E911用の位置情報を提供するために、Skyhookソフトウェアが動作するデバイスを作るのは簡単だろうと述べた。そのデバイスは、VoIP電話アダプタと連携させて使用することになる。

 他にも考えられる応用分野はある。Morganは、都市部を走る自動車に正確な道順を案内するために同ソフトウェアが使われるのではと予想している。ハードウェアメーカーも、道順の案内や、レストランなどの店舗の場所を検出するために車載されるデバイスを低コストで製造できる。

 WPS技術は、ノートPCなどが盗まれた場合にも利用できる。また、RFID技術と併用して、運送中の商品の場所を把握するためにも使用できる。

 「非常に良いコンセプトと思える」と調査会社In-Statでシニアアナリストを務めるNeil Strotherは述べる。「同じ場所で比較しても、携帯電話のアンテナより、Wi-Fi信号の方が密集度がより高い。GPSも、洋上などでは素晴らしく動作するが、都市部のような込み入った場所ではうまく機能しない」(Strother)

 一方、WPS技術にも欠点がある。WPSソフトウェアにとって、Wi-Fiアクセスポイントは、密集して設置されている必要がある。そのため、同技術は基本的に都市部に向いている。逆に、Wi-Fiアクセスポイントがまったく設置されていない、または、配置間隔が離れている地方には適していない。

 また、専門家の一部は、人工衛星や携帯電話のアンテナと違い、Wi-Fiルータは常に一定の場所に設置されているとは限らないと指摘する。Wi-Fiルータは、移動や撤去が容易に行われる。これに対して、WPSソフトウェアは、Wi-Fiアクセスポイントの移動を検出し、データベースに変更を記録するとMorganは説明する。また、Skyhookでは、新たなWi-Fi信号の検出を目的に街に出て、データベースを1年に1度の割合で更新する予定だと述べた。

 現在、Skyhookは、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコを含む米国内の主要都市24カ所分の地図を作成している。同社では、米国にある100都市の地図作成を年内に予定している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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