フィッシングやファーミングなどへの懸念から、オンラインショッピングを手控える消費者も出てきているようだが、それでも電子商取引(EC)の売上高は今年も引き続き増加しそうだとする予想が、2つの報告書で明らかにされた。
業界団体のCyber Security Industry Alliance(CSIA)は米国時間15日、先月全米で実施した調査をもとに作成した報告書を発表した。それによると、回答者の約半分が「ID窃盗などへの恐れがあることから、オンラインでの商取引を控えている」と回答したという。
また、97%が「ID窃盗は対応すべき課題である」と回答し、93%がスパイウェアを恐れていると答えた。
「明らかに、回答者はインターネット上で自分の個人情報が漏れることを懸念しており、この恐れから電子商取引が潜在力を開花できずにいる」とCSIAの上級ディレクター、Paul Kurtzは声明のなかで述べている。
このような側面が指摘される一方で、VeriSignが発表した報告書によると、ECの取引高はこの1年で30%増加したという。同社は13万5000人のオンライン小売サイト利用者を対象にこの調査を行った。
一度の購入で取引される平均金額も、ここ数カ月の間にわずかに上昇している。2005年第1四半期の平均取引金額は、前年同期比の144ドルからわずかに増加し150ドルとなった。
VeriSignはまた、オンライン詐欺に対して警告も発している。同社の報告書によると、フィッシング詐欺に使われているテクニックは、対抗するセキュリティ技術の登場を受けてさらに高度になっているという。同社は、なかでもDNSサーバの脆弱性を利用して、もっともらしく見える偽造ウェブサイトへユーザーを誘導し重要な情報を盗むというファーミングへの脅威を強調している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス