セキュリティ対策ソフトプロバイダのTrend Microが、スパム対策ベンダーのKelkeaを買収すると発表した。Trend Microは今回の買収で製品ラインの拡大を図り、競争力を強化する構えだ。買収金額は明らかにされていない。
2004年半ばまでMapsという名の非営利組織として活動していたKelkeaは2004年に、160万ドルの売上を計上している。Kelkeaの従業員20名は、スペース上の制約があるため、クパチーノのTrend Microオフィスには移動せず、これまで通りサンノゼのオフィスに勤務する。Trend Microが米国時間14日に発表した声明によると、Kelkeaの創設者兼CEOであるDave Randは、Trend Microのインターネットセキュリティ担当チーフテクノロジストに就任するという。
OvumのアナリストGraeme Titteringtonは「これは、すべてのセキュリティソフトベンダーに見られる傾向だ。各社は活動範囲を広げ、より包括的な形でインターネット上の問題に対処しようとしている。Trend Microは、Symantecのような大手ライバルに差をつけられないように努力しているところだ。そのため、競争力を維持しようとする今回の試みは理にかなっている」と述べた。
Kelkeaは、America Onlineをはじめとする米国のインターネットサービスプロバイダ各社にスパム対策サービスを提供する。Kelkeaの提供するサービスは、ネットワークに侵入してくる前に迷惑メールに対処するというもの。TrendMicroは、ゲートウェイでスパムメールを処理するスパム対策サービス企業のPostiniと提携関係にある。TrendMicroでインターネットセキュリティを担当するグローバルプロダクトマーケティング・マネージャのFernando Rynneは、今回の買収について、Postiniとの提携を補完するものだと述べる。Kelkeaのサービスは、企業やサービスプロバイダなどのTrend Microの顧客に、アドオンとして販売される。
「混乱を避けるため、当面はKelkeaという名前でサービスを提供する予定だ。だが、30〜90日以内にわれわれの所有するすべての製品を整理し、Trend Microブランドの下で販売する計画だ」とRynneは述べた。
さらにTrend Microは今後3〜9カ月以内に、フィッシングやファーミングに対処するKelkea製品ベースのサービスを提供開始する計画だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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