米国は、EU加盟国に対し、今年の10月までに米国への旅行者へバイオメトリクス(生体認証機能付き)パスポートを発給するよう求めているが、ある新聞記事によると、どうやら米国はこの要求を撤回することになりそうだ。
Financial Timesの9日付の記事によると、欧米間の旅行に混乱が生じたり、あるいは欧州から米国への旅行者が旅行の延期を余儀なくされる事態を回避するため、米国と欧州の当局者は、同計画の延期を決めたという。
欧州司法長官のFranco Frattiniは最近、米国に対し、生体認証機能付きパスポートの携帯義務付けを求める指令に関して、欧州連合(EU)内の対象国は、おそらく期限までに準備が間に合わないだろうと語った。
対象となっているEU加盟国で10月までに準備が整うと見られるのは、オーストリア、ベルギー、フィンランド、ドイツ、ルクセンブルク、スウェーデンの6カ国にとどまる。同指令の期限はすでに1年間延期されていたが、EUはさらにもう1年の延期を求めていた。
生体認証機能付きパスポートの携帯を義務付ける法案が米国で立法化されたのは2002年のことだ。また英国は最近、2006年第1四半期に「ePassport」の導入が可能との見通しを発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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