ウェブホスティング分野のナンバー2の座に飽き足らないMicrosoftは、広く使われているApache-Linuxペアから市場シェアを奪うため、同社のサーバーソフトウェアを大幅に変更しようとしている。
Microsoftは、2007年のLonghorn Serverリリース時に、新たに設計し直した「Internet Information Service(IIS)」ウェブサーバを投入すると、同社のBob Muglia(Windows Server開発担当シニアバイスプレジデント)が語った。
この変更で、IISはさらにモジュール化が進むことから、Webアプリケーションをより高速に処理できるようになると、Mugliaは説明している。
「ウェブサーバの本当に必要な部分だけをロードすれば済むように、われわれはIISのコンポーネント化を進めている。これにより、われわれはApacheに対して相当な競争力を持つようになるだろう」(Muglia)
Linux上で稼動しているケースも多いオープンソースのApacheウェブサーバは、最も広く利用されているウェブサーバで、一般のウェブサイトでもこれを使っているところが多くある。
Microsoftは、ウェブサーバの内部でアプリケーションを稼動するのに、Apacheに習って「プラグイン構造」を導入するつもりだ、とMugliaは付け加えた。
「ウェブ(ホスティング)、セキュリティ、そして高性能コンピューティングの3つの分野では、Linuxのほうが優勢だ。とくに、われわれが最も弱いのがホスティングであるのは明らかだ」(Muglia)
Windows Serverをセキュリティ面でLinuxより魅力的な選択肢とするため、Microsoftは自社のソフトウェアにポリシーベースの複数の管理ツールを追加し、仮想プライベートネットワーク(VPN)のセットアップや複数サーバ間のネットワークアクセス認証などのタスクの簡素化を図る予定だ。
また、Microsoftでは、同社がすでに提供しているスパイウェア対策ソフトウェアに手を加え、Windows Serverに追加したり、あるいはビジネス顧客向けに提供することも検討しているとMugliaは述べている。
同氏は、これらの追加機能の提供方法については詳細を明かさなかったが、ただしこれらがWindows Server 2003のR2アップデートに盛り込まれることはないと述べた。Windows Server 2003のR2アップデートは、今年末までにリリースされることになっている。
「われわれは、ちょうどウイルス対策ソフトウェアのベータ版をリリースしたところであり、この技術をより多くの企業に提供する方法を検討中だ」とMuglia。「大きな違いは、消費者の場合、自分ひとりでもコンピュータやネットワークを管理できるのに対し、企業ではいろいろな事柄を管理する必要があるという点だ」(Muglia)
高性能コンピューティング市場でLinuxに対抗するため、Microsoftは来年、この分野で同社初の製品となる「Windows Server 2003 Compute Cluster Edition」をリリースするとMugliaは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」