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対談:日米Yahoo! Searchのキーパーソンが考える真の検索

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今年で10周年を迎えたYahoo!Inc.――同社の主任科学者で検索動向にもっとも詳しい1人であるJan Pedersen氏が5月に来日した。CNET Japanでは、Yahoo! Japanでもっとも検索動向に詳しいリスティング事業部検索企画室室長の井上俊一氏に同席してもらい、10年前の第1世代検索エンジンや、今日の第2世代検索エンジン、そして未来の第3世代検索エンジンについて語ってもらった。Pedersen氏は、Xerox PARCで自然言語解析などを研究した後、第1世代検索エンジンの「Infoseek」や「AltaVista」を渡り歩いた経験を持つ。井上氏も第1世代検索エンジンの1つ、「Excite Japan」のCTOを経て、2004年6月にYahoo! Japanに移籍した。

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Jan O. Pedersen (ジャン・ペダーソン)
Yahoo! Inc. 検索・マーケットプレイス部門の主任科学者
プリンストン大学で統計学の学士号を取得後、スタンフォード大学大学院に進み、統計学の博士号を取得した。Xeroxのパロアルト研究所で最初の職に就き、Infoseekの検索部門ディレクターなどを経て現職に就いている。
井上俊一 (いのうえ としかず)
ヤフー株式会社 リスティング事業部 検索企画室室長
1998年から一貫して検索エンジンの開発や運用に携わり、サービスや技術、ビジネスなど検索に関するあらゆる面に精通。ヤフーで検索企画室室長、サーファー部部長職を兼務。現在、ライフエンジンやマイメディアの中核を担う次世代検索エンジンの開発に力を注ぐ。

--この10年の検索技術の進化をどう見ていますか

 Pedersen:1990年代半ばは、AltaVistaなどを含む第1世代の検索エンジンの時代でした。この時代は、キーワード検索が主で、まだインターネット検索においてどういう課題があるかを探っている段階でした。

 現在の第2世代エンジンは、第1世代で学んだことを生かし、より洗練させたものだと思います。例えば検索結果と共にディレクトリ上のカテゴリ分類などを表示して、より目的に近い情報へ誘導することや、地理的条件などを絞って情報を表示するLocal Search、つづりの間違いを正すスペルチェック機能を含む検索条件の補正機能、補助機能といったものです。

 こうした質的変化に加え、量的変化もあります。第1世代で扱うウェブページはせいぜい100万ページくらいでしたが、今日は最低でも数十億程のウェブページをインデックス化しなければなりません。この数十億のウェブページを1秒もかけずに検索できるのは、ものすごい技術革新だと思います。可能にしたのは自動化を含む技術の洗練度合い、そしてコンピューターの処理性能の向上でしょう。

 井上:私は第1世代検索サービスの前に、まず人力でまとめたディレクトリサービスがあったことも重要だと思います。第1世代の検索サービスは、このディレクトリサービスと補完関係にありました。

 ただ、第2世代では、Navigational Query(目的地が決まっている検索クエリ。例えば「ヤフー」と検索する人のほとんどは「www.yahoo.co.jp」に行こうとしている)に対してもディレクトリサーチと同様によい結果を出せるようになりました。それだけ検索精度が高くなったということの現れでしょう。

--この10年で何かマイルストーン的なものはありますか。

 井上:マイルストーンといえば検索サービスにおけるビジネスモデルの確立があります。検索技術の開発はとてつもないコストがかかりながら、回収できるめどが立たなかった。それが、突然リスティング広告というモデルが誕生して状況が一変しました。

 Pedersen:そうですね。Infoseek時代、頑張って開発をしてもコスト回収の構造が見つからない。その結果、どこの投資も受けられないという状況に陥りました。今は状況がまったく違います。人々がインターネットで過ごす時間はどんどん長くなっていて、余暇の3割から4割をインターネットに費やすともいわれています。では、世の広告のどれくらいがインターネットで展開されているかというと、まだほんの2%程度でしかありません。これはつまり、インターネット広告ビジネスが、まだこれからも大きく成長していくという確証につながります。

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