インターネット電話会社に対して、救急電話911番への接続を求める働きかけがさまざまな方面からなされているが、このほど米議会でもこの動きに加わった。
上下両院に提出された10ページにわたるこの法案は、911オペレータへのアクセスを提供する代わりに、国や地方政府がVoIP企業に課税することも認めている。
この法案は、インターネット電話の911接続規制を特に取り上げた連邦通信委員会(FCC)の会合が開かれる数時間前に発表された。同会議では、FCCがインターネット電話事業者に対し、現在固定電話や携帯電話が提供している911サービスと同等のサービスを提供するように義務付け、その最終期限を9月後半に設定した。
「自分が利用しているブロードバンド接続が911に接続していないことに気づくまでの数秒間が生死を分ける場合があるが、一刻を争うときにこのようなロスがあってはならない」と、この法案を提出したConrad Burns上院議員(モンタナ州選出、共和党)は述べた。
ここ数カ月の間に、Vonageの貧弱な911サービスが娘を死に追いやったと主張するあるフロリダ女性の話のような一連の悲惨な報道に、関係当局者や議員らは一様に愕然としてきた。VoIPサービスは911につながるが、多くの場合優先度は低く、場所を特定する情報は送られない。
テキサス州の司法長官は、911サービスに不備があったとしてVonageを訴えた。また、オンライン上にこの問題を取り上げた請願が出現した。また、FCC長官のJonathan Adelsteinは米国時間19日、911規制をVoIPにも適用すべきだと述べ、ユダヤ教のTalmudさえ引用した。911サービスの実施にあたりVoIPプロバイダに120日の最終期限を設けるというFCCの提案は、全会一致で可決された。
連邦議会はまた、911救急サービスはすべてのVoIPプロバイダに「公平」にアクセスを提供しなければならず、また当面911とうまくつながらないVoIPプロバイダはその旨を利用者にはっきりと警告しなければならないとしている。なお、この規制の対象となるのは公衆電話網に接続しているVoIPプロバイダに限られる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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