--AMDのチップが、大企業が購入するような主流のサーバやデスクトップ、ノートPCに採用されるのはいつでしょうか。
サーバ分野では、今まさにそれが起きています。AMDのチップはすでにSunやHP、IBMのビジネスのかなりの割合を占めるようになっています。Fujitsu-SiemensやLenovoといった外国企業でも同様です。
年末にはデュアルコアチップを搭載したデスクトップなどの製品が、市場をにぎわせることになると思います。しかし、消費者にはデュアルコアの価値を正しく伝えていかなければなりません。デュアルコアの真価が感じられるソフトウェアやその他の製品が家庭に行き渡るまでには、多少時間がかかるからです。
--不思議なことに、銀行などの大企業がOpteronを採用したというニュースはほとんど聞こえてきません。これは公表されていないだけなのでしょうか。
銀行には・・・多少慎重にならざるを得ない事情があります。銀行、特に投資銀行がAMDの技術を採用すると発表したら、その銀行がAMD株にお墨付きを与えたと受け取られかねません。これは混乱を引き起こす可能性があります。
金融業界では、当社の技術は高く評価されていると思います。どの企業に聞いても、好意的な意見が帰ってくるでしょう。実際、最大手10社のうちの7社は当社の技術を採用しています。しかしご指摘の通り、その事実は公表されていません。
--通信分野についてはいかがですか。
伝統的な通信分野、という意味であれば・・・短期的にはノーです。当社のチップセットには通信技術、特にワイヤレスやブロードバンドに関する機能が搭載される予定です。しかし、QualcommやTIがしのぎを削っている市場のセグメントに参入するつもりはありません。
--むしろ、家電分野に力を入れるということでしょうか。
当社はx86アーキテクチャに力を入れていますので、この市場のリーダーとなる(まだそうでないとすれば)可能性があります。そうなった場合は、他社にはない知的財産と経験を活かして、x86アーキテクチャの開発をリードすることができます。
パワーとコストを追求していけば、車載エンターテインメント機器や携帯型メディアプレイヤーなどの家電製品にx86を搭載することも可能です。今日のスマートフォンとは比べものにならないほど高度なモバイルコンピューティング機能を備えた複合型の機器に、x86が搭載される可能性もあります。
このアーキテクチャにこだわることで、消費者向けの低価格な端末からスーパーコンピュータまで、あらゆる製品に対応できるようになると考えています。
--世間ではDellがいつAMDのチップを採用するのかが大きな関心事となっています。
もちろん、われわれもDellを顧客に迎えたいと考えていますし、これからもそのために出来るかぎりのことをしていくつもりです。しかし、仮にDellがAMDにはもう興味はない、AMDの技術を採用するつもりはないと公言したらどうなるでしょうか。DellはIntelに対する影響力も失うことになります。ですから、Dellがそのような発言をすることはないと思います。
問題は、Dellのビジネスにふさわしいソリューションをわれわれが提供できるか否かです。それは可能だと確信していますが、ただしそれがいつ、どのような形で起きるかはまだ分かりません。
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