ゲーム業界にとって、5月と12月は1年のうちでも最も重要な月である。
5月中旬には、Electronic Entertainment Expo(E3)という重要なイベントが開催される。業界のトレンドはこのE3で決まり、またなかには大きな賭けに出るベンダーも現れる。そして年末になると、その賭けが成功し、良い方向に進めたかどうかを各社が見守るのだ。
5月16日から20日までカリフォルニア州ロサンゼルスで開催予定の今年のE3では、Microsoft、ソニー、任天堂の3大ベンダーの新型ゲーム機に、参加者の注目が集まることになる。
調査会社IDCのゲームアナリストShelley Olhavaは、「主力ゲーム機メーカーはここで次世代機の基礎作りをする。そして、すべてのゲーム開発者やベンダーが集まり、これらのゲーム機の新しい機能を目にする」と語っている。
E3の開幕を数日後に控えた米国時間12日、まずMicrosoftが新型ゲーム機を発表する。同社はMTVで「Xbox 360」の特別番組を放送する予定だ。この「MTV Presents: The Next Generation Xbox Revealed(MTV提供:次世代Xboxの全貌)」という番組は先週収録が終わっており、インターネットには、そこから流出したとされる新型ゲーム機の画像があふれている。
主流のテレビネットワークが新型ゲーム機の特別番組を放送するのは、ビデオゲームがいかに普及しているかを示す証拠といえる。しかし、これだけ注目され、大々的に宣伝されるゲーム業界も、そのシェアを忠実なファン層以外には拡大できずにいる。主力ベンダー各社は、業界が周期的な移行期に入ると予想される今後数カ月以内に、市場を確立して収益を確保することを目指している。このような移行は、新型ゲーム機の発表に合わせておよそ5年周期で繰り返されている。
「ゲーム人口はここ数年間ほとんど変わっていない。家庭への普及率は40〜45%のままで、ゲームをやめた人の代わりに新しいユーザーが加わるだけの状況だ・・・この業界は既存の支持層を深堀りしているかもしれないが、しかしゲームマニアの購入量が増えているだけで、必ずしも新しいゲームマニアが生まれているわけではない」(Olhava)
Olhavaはさらに、各社の新型ゲーム機は、業界にとって革新ではなく進化にすぎないものになるだろうと指摘する。
「大手ゲーム機メーカーにとって、100万〜200万台を売るのは簡単なことだろう。だが、それ以上の台数を販売し市場を拡大するのは簡単ではない」(Olhava)
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