IBMは米国時間10日、新興の株式非公開企業Gluecode Softwareを買収したことを発表した。Gluecodeは、IBMの「WebSphere」製品ラインと競合する、ローエンド市場向けのオープンソース製品を提供している企業。
買収の詳細は明らかにされていない。
カリフォルニア州エルセグンドに拠点を置くGluecodeは、Apache Foundationが開発したオープンソフトウェアスイートに関連するサービスを企業顧客に販売している。Gluecodeが特に対象とするのは中小企業で、「Joe」と呼ばれる一連のJavaサーバ製品向けのサブスクリプションサービスおよびアップデートを提供しているという。
IBMは今回の買収の一環として、Apacheの「Geronimo」プロジェクトを支援すると話している。Geronimoプロジェクトからは、Gluecode製品ラインが基礎とするJava 2 Enterprise Edition(J2EE)に準拠したアプリケーションサーバが開発されている。Gluecodeからは18名の社員がIBMのソフトウェア部門へ移籍するが、IBMも多くのスタッフをJoeプロジェクトに投入する意向だ。
IBMのWebSphereは、カスタムビジネスアプリケーションを構築し、稼働させるためのソフトウェアで、Gluecodeの製品はこのスイートのローエンド部分を補完するものになると、IBMは述べている。WebSphere製品ラインには、アプリケーションサーバやポータル、統合ソフトウェアなど、幅広い製品が含まれる。
IBMのアプリケーション&インテグレーションミドルウェア部門ゼネラルマネージャRobert LeBlancは、WebSphereの対象は大企業や中規模企業であり、小規模組織や個人の開発者の間ではIBM製品はあまり浸透していないと指摘した。しかし同氏は、IBMはGluecodeの顧客に、より機能的なWebSphere製品をニーズの拡大に合わせて提供できるようになるだろうとも話している。
「ローエンド市場が模索しているビジネスモデルは、変化しつつある。ローエンド市場には、たくさんのチャンスが転がっているのだ」(LeBlanc)
LeBlancによれば、小規模な組織やプログラマらは、オープンソース開発製品を無料で入手し、そのサポートに対して料金を支払うようになってきているという。
Gluecodeも、オープンソースインフラストラクチャソフトウェアに関するサービスを提供する、新しい企業の1つである。同社は、Geronimoアプリケーションサーバ、ポータル、データベース、ワークフローサーバなどを含むオープンソース製品の一体型パッケージ等に対して、アップデートとサポートを行っている。
Burton GroupのアナリストAnne Thomas Manesは、WebSphereと競合するJBoss製品などのオープンソース製品の台頭が、IBMのGluecode買収を促したと分析している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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