アパッチのメンバーら、「Project Harmony」でオープンソース版J2SE開発へ - (page 2)

Martin LaMonica(CNET News.com)2005年05月10日 10時57分

分かれる反応

 昨年は、LinuxへのJavaソフトウェアのバンドルが容易になると主張するIBMを中心に、Javaのオープンソース化を求める声が高まった。

 しかし、一部のJavaプログラマーらが示したProject Harmonyに対する当初の反応は、決して芳しいものとはいえない。

 Javaの開発者らは米国時間9日、Apacheのほかの作業に重点を置くようProject Harmonyの提案者らに促した。J2SEの「ランタイム」を一から作り直すのは困難で、既に市販バージョンもあるとの指摘が多数寄せられた。ランタイムとは、Javaプログラムを動かすために必要なソフトウェアのこと。

 著名なJavaエンジニアで、昨年BEA SystemsからGoogleへ移籍したCedric Beustは、TheServerSideへの投稿のなかで、「自分の経験や、多くのカンファレンスで何度もこの問題の賛否を尋ねた結果から、私はオープンソースJavaに対する関心はほとんど無い、と自信をもって断言できる」と述べている。

 「実際に100%互換のJ2SEが(思いがけず)実現できたとしても、Sunではなくそちらを使う理由はあるだろうか」(Beust)

 Sunに加え、BEAとIBMも独自バージョンのJ2SEを用意しているが、オープンソースライセンスのものは1つもない(この場合のオープンソースとは、ライセンスに関するガイドラインを提供するOpen Source Initiativeの定義に合ったものを指す)

 だが、SunはJ2SEの次期バージョンに組み込まれることになるコードを定期的に公開することで、J2SEの開発プロセスを大きく変えてしまった。J2SEの次期バージョンは来年出荷される予定。

 Javaランタイムには、ほかにもいくつか種類がある。J2SEデスクトップソフトウェアのほかに、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)と呼ばれるサーババージョンや、携帯端末用の「Java 2 Micro Edition(J2ME)」と呼ばれるものもある。

 一方、J2EEサーバには既にオープンソースライセンスで提供されているものがいくつかある。JBossアプリケーションサーバや、フランスに拠点を置くObjectWebというコンソーシアムのJonasと呼ばれるものなどだ。Apache Foundationにも「Geronimo」と呼ばれる独自プロジェクトがあり、まもなくJ2EEの認定を取得する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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