Azul Systemsは米国時間4月13日、IBM Global Servicesとの間で、同社としては初めての提携契約を結んだことを発表した。同社は、サーバ上でJavaプログラムをより高速に走らせる専用のハードウェアを開発している新興企業。
この契約に基づいて、IBM Global ServicesはAzulの開発する「計算処理用アプライアンス」と主要なJavaaアプリケーションサーバソフト3製品--BEA Systemsの「WebLogic」、IBMの「WebSphere」、オープンソースの「JBoss」--のいづれかとを組み合わせて使用するユーザーにサポートを提供していく。なお、この契約の詳細な条件は明らかにされていない。
IBM Global Servicesは、新技術普及の足掛かりをつかもうとしている企業の提携先としては非常に大きな存在といえる。直近の四半期に126億ドルの売上を計上しているIBMの同部門は、コンピュータインフラを評価/導入/統合する企業にサービスを提供し、さらにその運用を代行する場合も多い。
Azulは、独自のJavaプロセッサを開発している。複数の計算処理エンジン(もしくは「コア」)を備えるこのプロセッサは、他のサーバ上で動作しているプログラムの処理速度を向上させる。Azulのプロセッサは1基につき24のコアが内蔵されており、16基のプロセッサを積む大規模なシステムの場合、384のコアと最大で256Gバイトにメモリを搭載できる。
Azulを率いる最高経営責任者(CEO)のStephen DeWittは、かつてCobalt Networksを立ち上げた人物であり、Sun Microsystemsに同社を売却するまでは同社に在籍していた。DeWittはSunからShahin Khanを引き抜き、Azulの最高マーケティング責任者(CMO)に任命している。
1990年代にSunが開発したJavaは、プログラミング言語でもあり、またこの言語で記述されたプログラムを走らせるためのソフトウェア・プラットフォームでもある。Javaプログラムはこのソフトウェアプラットフォーム上で動作し、特定のプロセッサやOSに依存しないことから、同一のプログラムを多くの異なるコンピュータ上で動作させることが可能だ。
だが、こうした柔軟性の代償として、Javaは通常のソフトウェアよりも動作が遅いという不満もよく聞かれる。携帯電話のようなハードウェアでJavaのソフトウェアの処理速度を加速させるプロセッサは複数の企業が扱っており、またIBMもメインフレームでの利用を目的としたJavaアクセラレータを販売している。
Azulは、同社のシステムについて、従来のサーバ上でJavaを動かす場合よりも高速に動作するとしているが、同社はこの製品を、多くのアプリケーションが必要に応じて利用できる計算処理能力のプールを構築するための手段として顧客に売り込んでいる。Azulは今回の提携によって、計算処理能力の変化に対する顧客の適応力が高まると考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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