サンフランシスコ発--オープンソースを推進する非営利団体Open Source Initiative(OSI)は、広く使われているオープンソースのライセンス数減少に向けた取り組みに着手した。
OSIが米国時間6日に発表したポジションペーパーによると、今後は少数のライセンスを優先オプションとして推進していくという。OSIはこれまで50種類以上のオープンソースライセンスを承認しているが、そのうちのどのライセンスを優先オプションとして推進するかはまだ決定していない。
OSIは3月に、ライセンス増加を防ぐ目的で、オープンソースライセンスが満たすべき定義に、新たに3つの要件を追加した。オープンソースライセンスは明確に書かれた簡素で理解できるものでなくてはならない、再利用可能でなくてはならない、既存のものと重複してはならない、という3項目を満たすことが新たに求められる。
ライセンス急増の問題に対しては、ここ数カ月間、ソフトウェア業界で広く話し合われている。なかでもHPのLinux事業部担当バイスプレジデントのMartin Finkは、不要な混乱と出費を回避するためには、ライセンス数を大幅に減らす必要があると主張する。
さまざま製品間でライセンスの互換性がなければ、異なるオープンソースプロジェクト間でコードを共有できなくなる。ライセンスの数が多すぎると、法律関連の問題を詳しく審査し、複数のオープンソース契約を管理しなくてはならない法人顧客への販売が面倒なものになりかねない。
Computer Associates International(CA)のシニアバイスプレジデントSam Greenblattは、ライセンスの増加が問題を引き起こしているという意見に同意しつつも、数を減らすというFinkのアプローチには異議を唱えている。当地で開催された「Open Source Business Conference」でスピーチを行ったGreenblattは、「CAは、妥当と思われる代案があれば、自社が現在利用しているオープンソースライセンスを放棄してもよい」と述べた。
そしてGreenblattは、Sun MicrosystemsのCommunity Development and Distribution License(CDDL)は正しい方向に歩むための第一歩となると述べた。「SunのCDDLは、増加を阻止する上ですばらしい出発点となる」(Greenblatt)
ライセンスを削除することは、そう簡単ではない。Intelは自社独自のオープンソースライセンスをOSIが推進しているライセンスのリストから削除したが、それを利用するソフトウェアが存在する限り、ライセンスそのものは存続し続けると、Greenblattは言う。
1日に、OSI理事会の定員が5名から10名に追加され、米国以外の理事が新しくメンバーに加わった。新理事は、ブログのインデックスサイト、Technoratiのバイスプレジデントを務め、Internet Corporation For Assigned Names and Numbers(ICANN)理事でもある伊藤穣一氏、ブラジル最大のJavaユーザーグループSouJavaのプレジデントで、Summa Technologiesのシニアコンサルタントを務めるBruno Souza、Googleでオープンソースプログラムマネージャを務めるChris DiBona、オンラインジャーナルFirst Mondayでマネージングエディターを務め、オランダのマーストリヒト大学でプログラムマネージャを兼任するRishab Aiyer Ghosh、IBMの元プログラマで、スリランカでオープンソースを推進する目的でLanka Software Foundationを設立したSanjiva Weerawaranaの5名。当地では、Open Source Business Conferenceのほかに、新しいメンバーが加わった初めての理事会も行われており、今回発表されたポジションペーパーは、同会合で採択されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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