IBMは、ソフトウェアのライセンシングとデュアルコアプロセッサに対して、二面的な態度を取っている。
IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)がデュアルコアプロセッサをリリースした今週、IBMは、サーバソフトウェアの価格を決定する際に、「x86」デュアルコアチップを1基のチップとして数える意向であることを明らかにした。これまでIBMは、サーバーソフトウェアの価格を計算する際に、デュアルコアチップをシングルコアチップ2基分として取り扱うと述べてきた。
しかしIBMは、自社のサーバ向けデュアルコアプロセッサについては、引き続き各コアをそれぞれ別個のプロセッサと認識して、ソフトウェアの価格を決めていくという。IBM独自の「Power5」デュアルコアプロセッサを搭載したサーバは非常に高性能であり、Power5の利点を十分に生かすため、ユーザーがソフトウェアの最適化を行っていることがその理由だと、IBMの関係者は米国時間21日に述べている。
同関係者は、「2つのコアは2基のプロセッサであるというIBMの考え方は、基本的には変わっていない。だが現在は、プロセッサのパフォーマンスを基準にするアプローチも検討している。x86プロセッサはユーザーにそれ相応に高い処理能力をもたらしたが、技術革新は今も進んでいる。われわれのライセンシングも技術の進歩に合わせていく予定だ」と語っている。
今日ではIntelやAMDもデュアルコアプロセッサをリリースしているが、提供開始からすでに数年が経過したIBMのPower5デュアルコアプロセッサは、「第3世代」のチップだと考えられている。
今回のIBMによるライセンシング方法の変更は、マルチコアプロセッサのライセンシングに対するアプローチが各企業間で異なっている現状を反映したものだ。
チップ製造業者らは、マルチコアプロセッサ(同一のシリコン基板上に、2つ以上のプロセッサコアが配置されているもの)は単に最新チップ技術を応用したものであり、ライセンシング方法を変更するべきではないと主張している。
データベースのようなバックエンドサーバソフトウェアの価格は、しばしばCPUの数を基準として決定される。そのため(複数のコアは複数のプロセッサであるという考え方が適用されれば)、ユーザーはそれまで以上に多額の料金を支払って、デュアルコアプロセッサを搭載するサーバ用にソフトウェアライセンスを取得しなければならなくなる。
2004年はMicrosoftもこの議論に加わった。Microsoftは自社のサーバソフトウェア製品に関しては、デュアルコアプロセッサをシングルチップとして取り扱うと述べた。一方Oracleは、デュアルコアプロセッサ上で稼働するサーバソフトウェアを使用するには、ユーザーは2ライセンス分の料金を支払う必要があるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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