日本ヒューレット・パッカードは4月19日、同社のItanium 2搭載機の出荷台数が2005年後半にはPA-RISC搭載機を抜くことを明らかにした。2005年後半は、デュアルコア構成のItanium 2の出荷時期と重なる。
インテルが公開しているCPUの開発ロードマップによれば、Itanium 2とXeonはともに、現在のシングルコアからデュアルコアを経てマルチコア構成へと進化する。Itanium 2は現在、開発コード名「Madison」と呼ぶ第3世代のCPUを出荷済み。2005年後半以降に第4世代となるデュアル・コアの「Montecito」に切り替わり、2007年以降はマルチコア構成の「Tukwila」に移行する。
Itanium 2機とXeon機の違いはCPUだけになる
2007年以降、CPUをマルチコア化する頃には、CPU同士の通信やCPUとメモリ間の通信機構、つまり現在のバス部分であり将来のインターコネクトとなる部分を、Itanium 2とXeonで共通化する。Itanium 2搭載機とXeon搭載機で、周辺チップセットなどCPUを除くサーバの構成部品をすべて共用できるようにする計画である。
Montecito以降、複数のコアごとに独立したハイパースレッド機構により、CPUの個数を大きく超えるスレッドを同時に実行できるようになる。MontecitoはCPUに2つのコアを持つが、1つのコアで2つのスレッドを実行するため、1CPUで扱えるスレッドの数は4個になる。16個のCPUを搭載するサーバでは、64個のマルチスレッド機として利用できる。
HPではPA-RISCからの差し替えが進む
日本ヒューレット・パッカードは、Itanium 2に今後も注力し、PA-RISCを置き換えていく。すでにMontecitoとPA-RISC最終版のPA-8900の両CPUを利用するための新チップセット「sx2000」は完成済み。sx2000は、現在のItanium 2(Madison)とPA-8800を利用可能なsx1000の後継チップセットであり、Itanium 2とPA-RISCの新版に合わせて開発したものだ。Madison/PA-8800/sx1000の組み合わせから、Montecito/PA-8900/sx2000の組み合わせへは、筐体内のアップグレードだけで対応できる。
次期Itanium 2搭載機を実演した米Hewlett-Packard ビジネスクリティカルサーバ プロダクトマーケティングマネージャーのディミトリス・ドーバス(Dimitris Dovas)氏
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日本ヒューレット・パッカードは実際に、チップセットにsx2000、CPUにMontecitoを4個搭載したIAサーバを実演してみせた。筐体は「HP Integrity rx8620-32」を流用。パーティションを2つに分割し、CPU2個からなるHP-UX 11iのパーティションと、別のCPU2個からなるWindows Server 2003のパーティションを同時に実行させ、システム監視モニタ「HP OpenView GlancePlus」で合計16個のスレッドが動作している状況を見せた。
日本ヒューレット・パッカードによれば、2004年以降、Itanium 2搭載機の販売台数は前年度比3桁%で成長(前年度の販売台数の2倍以上)している。Montecito搭載機を出荷する2005年後半には、PA-RISCを搭載するUnixサーバ「HP 9000」を台数ベースで抜く見込みである。
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