本多エレクトロンは4月15日、実験を目的とした「高速電力線搬送通信設備(高速広帯域電力線モデム)」の設置許可を、総務省東北総合通信局より取得したと発表した。
高速広帯域電力線モデムとは、コンセントに差すだけで高速インターネットアクセスを可能とするシステムのこと。同社では2004年6月に高速広帯域電力線モデムの漏洩電界低減技術開発に成功。8月に高速電力線搬送通信設備の設置許可を取得し、9月には漏洩電界が約50分の1となる「ブロードバンド漏洩電界低減技術」の低減効果を実証している。前回の実験期間は2004年8月23日から2005年3月31日までの約7カ月だったが、今回の申請により2006年3月31日までの1年間にわたり、引き続き実験検証が可能になる。
高速広帯域電力線モデムには漏洩電界が既存無線局に妨害を与える可能性がある。漏洩を低減するには送信レベルを下げる方法があるが、送信レベルが下がると受信レベルが下がるため、受信感度をいかに向上させるかが課題となる。具体的には、 送信レベル一定の実効電力を保ちながら漏洩の最大値を低減させ受信信号の実効電力を向上させるか、 電源部の雑音を低減させ受信信号の信号対雑音比を向上させるか、電源部からの漏洩電界をいかに低減するかの3点が課題だという。
同社では今後も上記電源部/送信変調部の実験検証と共に、受信部の漏洩電界低減技術の実験検証を実施。来年3月末まで実フィールドにおける実験検証を継続する予定だ。また、今月より製品化開発の検討に着手し、規制緩和に合わせて製品化開発を行って、市場の要求に応えた高速広帯域電力線モデムビジネスの拡大を図っていくという。
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