富士通は、電力線を利用してデータ通信を行う電力線通信(PLC)に関して、実験用通信設備の設置許可を、10月14日に総務省関東総合通信局から受けた。同社が10月18日に明らかにしたもの。同社は漏えい電界低減技術を検証するために、東京電力の技術開発センター(神奈川県横浜市鶴見区)で年内に実証実験を行う。
PLCは、既存の電力線を活用してデータをやり取りする通信方式。電気のコンセントにPLC専用モデムを差し込むだけで通信が行えるので、簡便性に優れているという。ただし、「電力線から漏れる電波が既存の無線局に影響を与える可能性があるため、モデムでの漏えい電界低減技術の開発、実験検証の推進が望まれている」(富士通)。
同社は、漏えい電波を減らすための電子部品であるCMCにEMC技術を適用。同CMCを取り付けることで、漏えい電波の少ないPLC用モデムを試作した。実験では、東京電力の施設に同モデムを設置して検証を行う。
今後は、規制緩和に合わせ、MHz帯の高速広帯域PLCモデムの開発と、それを活用したシステムインテグレーションを推進し、同分野の事業を拡大していく。
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