松下電器とLG電子、PDP特許訴訟で和解

永井美智子(編集部)2005年04月04日 15時47分

 松下電器産業とLG電子は4月4日、プラズマディスプレイパネル(PDP)の特許訴訟に関して和解することで合意したと発表した。

 これに基づき、両社はPDP特許に関して日本と韓国でそれぞれ起こしていた輸入差し止めの申立て、およびすべての法的手続を取り下げる。また、PDPに関して特許のクロスライセンスを行うことでも合意した。

 松下電器は2004年11月、LG電子が松下電器の持つPDPの放熱技術に関する特許を侵害しているとして、LG電子製PDPの日本国内における販売差し止めを求めた仮処分申請を東京地方裁判所に行った。加えて、東京税関に対して輸入差し止めを求めていた。これに対抗する措置として、LG電子は松下電器製PDPの韓国内輸入差し止めを韓国の貿易委員会などに求めていた。

 今回の和解について、松下電器では「長期の訴訟は互いの利益にならず、両社の持つ特許を尊重することを重視したため」と説明している。

 両社はPDPに加えてPCおよびDVD規格に関する特許のクロスライセンスにも合意した。さらに今後は、協力テーマ拡大の可能性について検討するための協業検討委員会を設置する。

 両社は、2001年1月に家庭用エアコン分野で協力関係の構築について合意しており、コンプレッサや部材調達などの面で協力関係にあった。

 PDPを使ったプラズマテレビはデジタル放送の開始などに伴って、世界的に市場が拡大している。米DisplaySearchの調査によればプラズマテレビの2004年第4四半期(10月〜12月)の全世界出荷台数は71万4000台。同市場は松下電器がトップで20%のシェアを持つ。LG電子のシェアは12%で第3位の座にある。

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