エンターテインメント業界の未来はいかに--米でDigital Hollywoodカンファレンス開催

Stefanie Olsen(CNET News.com)2005年04月01日 22時45分
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 カリフォルニア州サンタモニカ発--Sony Pictures Digital Entertainment(SPDE)が、「映画版iTunes」となるサービスを開発しようとしている。

 「われわれは(Apple ComputerのSteve)Jobsが音楽分野で実現したようなビジネスモデルや価格モデル、配信モデルを、映画業界向けに確立したいと考えている」と、SPDEのシニアバイスプレジデント、Michael Arrietaは当地で開催されたDigital Hollywoodカンファレンスのなかで語った。

 さらにArrietaは、「私がつくり出そうとしているのは、新しい『Napsterキラー』だ」と付け加えた。

 Arrietaによると、同氏のグループはこの目標に向け、SPDEが保有する映画のなかで人気の高い500本のタイトルをデジタル化し、様々なデジタル環境で提供するという世界初の試みを2006年に行なう予定だという。Arrietaによると、今後は「Spider-Man 2」などの映画をMovielink以外でも提供していくという。MovielinkはSony Picturesと映画大手5社が共同で設立したオンライン映画配信サービスだが、これまで同サービスで配信されていたSony Picturesの作品はごく限られていた。

 Arrietaによると、Sonyはたとえば2006年にフラッシュメモリ搭載の携帯電話で視聴可能な映画の販売を計画しているという。また同氏はインタビューの中で、同社がさらにPCを使って映画をダウンロード/保存可能なオンラインサービスを開発すると述べた。

 Sony Picturesの一連の計画ならびに他の映画会社による同様の動きは、オンライン音楽業界におけるAppleのような、特定の1社だけが力を持つことを防ぐと同時に、各映画会社が手にする利益を増やすことになりそうだ。「自分の課題は自分で定めよ。さもないと他の誰かに決められてしまうことになる」というのがハリウッドの哲学だ。

 音楽業界はファイル交換ネットワークで蔓延する違法なコピーのやりとりにこれまで頭を悩ませてきたが、こうした状況になるのを回避することも同じくらい重要だと、メディア企業の幹部らは述べている。

 3月30日から3日間の日程で開催されているDigital Hollywoodカンファレンスでは、消費者が様々な機器で、映画やテレビ番組、マルチメディア情報をいつでもどこでも好きなだけ利用できるようにする上で障害となっている問題について、Arrietaをはじめとするメディア企業の幹部らが話し合った。

 デジタル著作権管理(DRM)や消費者による新技術の採用、そしてシンプルで互換性のある家電製品の実現などが、映画業界ではいまだに障害として残っているという点で幹部らの見解は一致した。

 それでも映画業界は、技術者らと協力しながら、「デジタルホームの実現」という公約の達成に、かつてないほど真剣に取り組んでいると、エンターテインメント企業の幹部らは述べた。

広告の未来

 メディア企業幹部らは、「デジタルホーム」に関するパネルディスカッションの中で、デジタル環境における30秒間のテレビコマーシャルの未来についても議論した。デジタル環境では、消費者はCMを飛ばしながらテレビを視聴できてしまう。

 南カリフォルニア大学(USC)のEntertainment Technology Center (ETC)でエグゼクティブディレクター兼CEOを務めるCharles Swartzによると、広告はこれまでに発明されたなかで最も有効な販促手段であるため、今後もなくなることはないが、高度な技術を使って各家庭向けに広告をカスタマイズしたり、宣伝対象を絞ることはあり得るという。

 「コマーシャルはなくならない。ただ、双方向性や宣伝効果が強化されるにすぎない」と語るのは、エンターテインメント分野専門のコンサルティング会社、Bearingpointでマネジングディレクターを務めるShahid Khanだ。同氏はさらに「しかし、誰かがこの『怪物』をもっと正確に測定する方法を見出す必要がある」と付け加えた。

 メディア企業幹部らによると、いずれにせよ、エンターテインメント、広告、ハイテクが融合して1つのシームレスな製品になるケースは今後ますます増えるが、誰がパワーブローカーとなるかは定かでないという。多種多様な家電製品を開発するソニーの子会社であるSony Picturesは、エンターテインメントの新しい提供方法の実現に向け、自社の課題の設定に取り組んでいく決意を改めて表明した。

 「エンターテインメントの生態系をつくり出せるかどうかが将来の鍵を握るが、そこではプレイヤー、プラットフォーム、コンテンツの著作権、ユーザーインターフェースは全て流動的になる。エンターテインメント業界は過渡期にあるが、同業界とハイテク業界との間では現在トップレベルで対話が続けられている」とArrietaは語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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