Cisco Systemsが今年、新興のXMLネットワーク製品市場に参入する計画であると、複数の業界筋が語っている。
Aonと呼ばれるプロジェクトにおいて、CiscoはXML文書のネットワーク転送を制御するネットワーク機器製品ラインの開発を行っている。同市場では、すでに多くの専門の新興企業がひしめきあっている。
「Ciscoは、XMLアプリケーション向けのアクセラレータ、セキュリティアプライアンス、統合アプライアンスで同市場に参入するつもりだ」と、業界のある企業幹部が語る。
Ciscoの関係者は、この件に関するコメントを控えている。
CiscoがXMLネットワーク市場に進出する背景には、既存の主力製品ライン以外の部門からも利益を生み出したいという、同社の強い思いがある。
Aonプロジェクトには約200名の従業員が関わっており、その中にはTaf Anthiasという人物も含まれていると、業界のある企業幹部が語る。Anthiasは、以前までIBMのMQSeries開発部門で最高技術責任者(CTO)を務めていた人物だ。MQSeriesは現在ではWebSphere MQという名称で呼ばれており、異なるシステム間でデータやトランザクションの転送を行うために、広く利用されている。
Aonの最初の製品は4月にも発表が行われる予定だったが、6月まで計画が延期されたと、ある業界幹部は語っている。同製品は現在、複数の金融機関によってテストが行われているという。Ciscoでは、XMLデータ転送の高速化のために、同社のルータ製品にMQSeriesの技術を組み込む計画だと、この幹部は説明する。
Aonにより、CiscoはDataPowerやReactivityなど、XML処理の高速化やWebサービスの暗号化処理を行う機器開発の分野で活躍中の多くの小規模な企業と競合することになる。
過去にCiscoは、「Application-Oriented Networking(アプリケーション・ベースのネットワーク:AON)」の分野へと進出する意向をはっきりと表明している。2月のCNET News.comとのインタビューで同社CTOのCharles Giancarloは、アプリケーション・レベルのネットワークが、同社にとってよきビジネス・チャンスとなるとコメントしている。
「皆さんは(AONが)何を意味するかを聞いてくるが、それに対してXMLや他のメッセージ・ベースの通信技術などを総称するものとコメントしている」と、Giancarloは述べる。「それは長い視点ではなく、短期的なものだ。これに関して、今年末にもより多くの情報を確実に提供していく」(Giancarlo)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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