DellとSun Microsystemsが提携すれば、サーバ分野において両社がともにメリットを得られると、ある金融アナリストが示唆している。
Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghiは、米国時間9日に発表したレポートのなかで、両社の提携は、Linuxサーバ市場やx86プロセッサ搭載のハイエンドサーバ市場でこのところシェアを落としているDellにとっては、この流れを変えることに役立つとし、またSunにとってもSolaris OSやAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteron搭載x86サーバを売るパートナーを得ることになると述べている。
「突飛でありえない話のように聞えるかもしれないが、DellとSunの提携は互いにメリットをもたらす可能性がある」とSacconaghiは説明する。Dellはハイエンドのストレージシステム販売でEMCと提携し成功を収めているが、SacconaghiはSunとDellもこれに似た提携関係を築けるとしている。
「両社の経営陣がこのような取引を受け入れるかどうかは非常に不透明だが、実際にSunとMicrosoftがそれまでの敵対関係を素速く転換し、またDellとEMCの間でも同じような経緯があったことを考えると、DellとSunの提携も実現可能なものと考えられる」(Sacconaghi)
現在IT業界では淘汰が進んでおり、MCI、Retek、PeopleSoft、Veritas、Compaqなどが規模で勝る企業に買収されている。しかし、だからといってSunとDellの提携が簡単に実現するとは限らない。
両社には、いくつかの決定的な相違がある。DellはメインフレームやSunの専門分野であるハイエンドサーバの分野を軽視しており、さらにSunが社内での研究開発を誇りとしているのに対し、DellはIntelやMicrosoft、Red Hatといった外部メーカーの技術を極めて効率的に組み立てられることを自慢にしている。
この提案に対するDellの反応は冷ややかだ。「われわれがx86市場で成功しているのは、何よりも顧客を重視しているからだ。Dellが提供するWindowsやLinuxを搭載したx86システムを選ぶ顧客はこれからも増え続ける」と、同社広報のBruce Andersonは述べている。なお、Dellは先ごろAMDプロセッサを採用しない方針を明らかにしていた。
またSunからのコメントは得られなかった。
Sacconaghiは、SunがIntelサーバに見切りをつけ、Linuxの代わりにSolarisを打ち出したことで、両社が直接競合する可能性は低下したと考えている。そして、DellはSunのGalaxyというOpteronベースのサーバを使って、ハイエンドのx86サーバ製品を強化すれば、IBMに対する競争力が高まるとしている。
「Dellにとって、エンタープライズビジネスは非常に重要な売上増加の原動力であり、この成長の速度を再び加速することがDellにとって重要事項となっている。またサーバはエンタープライズビジネスの売上の3分の2を占め、ストレージの売上の大半をもたらしていることから非常に重要である」(Sacconaghi)
一方、x86市場でのシェア拡大をねらうSunにも、Dellとの提携は大きなプラスになる。「Unixハードウェア市場全体とSunのUnixハードウェアの売上は、過去3年間にわたって減少し続けているため、x86サーバの売上増加はSun全体の成長にとって鍵を握る要因となっている」(Sacconaghi)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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