テレビに向かって大きな声で指示を出してみよう。IBMの構想が実現して、ホームエンターテインメント機器が音声で動くようになる日も近いかもしれない。
IBMは米国時間23日、音声コマンドを受け付ける電子番組ガイドを共同開発することでブラウザメーカーのOpera Softwareと合意したと発表した。IBMはこれを機会に、たくさんの家電製品に音声認識技術を搭載し、複雑なメニューや操作しづらいリモコンなどの問題を解消したいと考えている。
IBMでコンタクトセンター向けのプロダクトやソリューションを担当するディレクターのGene Coxは「新しいAV機器が次から次へと登場しているが、これら1つ1つの操作を覚えるのは大変である。リモコンのボタンも増える一方だ」と述べる。
音声認識技術を使えば、消費者はストレスから解放されるとCoxはいう。例えば、デジタルビデオレコーダーに音声認識技術が搭載されれば、リモコンで複雑な操作をしなくても、「Arnold Schwarzeneggerを録画」と発声するだけで、レコーダーが「ターミネーター」を録画してくれるようになる。
IBMの音声認識技術「ViaVoice」は企業のコールセンターなどですでに広く利用されている。また同技術はカーナビシステムでも利用されている。さまざまな機器の処理能力が向上し、取り扱う情報量が増えていくことを考えれば、音声認識技術の適用範囲は広がっていくと、Coxは自信を見せる。
「例えばTiVoの番組ガイドを見てみよう。これには、非常に複雑な情報が盛り込まれている。ユーザーはここから、必要な情報を取捨選択しなくてはならない。再生、停止、録画以上の複雑な機能をもつレコーダーは、音声認識技術が搭載されている方が便利だ」(Cox)
音声認識機能をもったOperaブラウザは、まずPCで利用され始めることになる。しかし、同ブラウザは軽くて柔軟性に富むため、ほかの機器でも利用可能だとCoxは述べる。そうなると、音声コマンドで動くiPodも夢ではないかもしれない。
「データベースにあるアーティストやアルバムの名前を音声とマッチさせるのはさほど難しいことではない」と、Coxは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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