Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間23日、本社においてデスクトップPC向けのデュアルコアプロセッサを披露する予定だ。しかし、同社はその詳細について固く口を閉ざしている。
公開が予定されているのは、Toledoという開発コード名で呼ばれるプロセッサで、同一のシリコン片上に2つの独立したAthlon 64コアが配置されている。2005年後半には各社のPCに搭載されて出荷される見込みだと、AMDのデスクトップブランドマネージャのTheresa DeOnisは述べている。
1つのプロセッサ上に2つのプロセッサコアを配置することで、コンピュータは2つの処理を一度にこなす、あるいは特別に最適化されたアプリケーションをより高速に動かすことができるようになると、同氏は説明する。2プロセッサ動作用にスレッド対応が行われているという意味で、Windows XP Professionalが多くのデュアルコアプロセッサ搭載PCで採用されるオペレーティングシステムとなりそうだ。
「まだ市場には、あまり多くのマルチスレッド対応アプリケーションが存在しないが、(Toledoが)マルチタスク環境の拡大を加速することになるだろう」と同氏は述べた。
同プロセッサは、現行と同サイズのパッケージに収められ、現在のシングルコアAthlon対応PCにそのまま収めることができると、DeOnisは述べる。それでもなお、同氏はクロック周波数やそのほかの詳細については言及を避けた。
AMDとそのライバルであるIntelでは両社とも、2005年中にデュアルコアプロセッサを提供開始する予定だ。両メーカーは互いに、それぞれ別の分野において他社に先駆けて製品をリリースすると主張している。Intelの最初のデスクトップPC向けデュアルコアプロセッサである、Smithfieldという開発コード名の製品は、(AMDの)Toledoに先駆けて今年第2四半期に登場する予定である。
一方でAMDは、今年半ばにサーバ向けプロセッサのOpteronのデュアルコア版を出荷する計画だ。Intel側では第2四半期にデュアルコア版Itaniumをリリースするものの、デュアルコア版Xeonは2006年まで登場しないことになっている。IBMでは、サーバ向けのデュアルコアプロセッサであるPower4を、すでに数年間にわたって販売している。
多くのサーバは、すでに2つのプロセッサを搭載しているため、デュアルコアプロセッサは(デスクトップPC市場よりも)サーバ市場で容易に導入されるものと思われる。だが、サーバ向けプロセッサの1年間の販売数は、デスクトップPC向けのそれに比べて少ない。また、サーバを購入するユーザーには保守的なところがあるため、デュアルコアプロセッサはすぐにはサーバ市場に浸透しないだろうと、アナリストらは予想している。
ハイエンドやゲーム用PC市場向けに、Intelは今年中にもHyperThreadingをサポートしたデュアルコアプロセッサを発売する予定だ。これにより実質的に、1つのデュアルコアプロセッサにおいて、4プロセッサ構成のシステムのように動作させることが可能になる。しかし、多くのゲームがマルチスレッド未対応という理由から、実質的には2つのプロセッサコアを備えるメリットはないとして、AMDは2006年までこの動きには追随しないとDeOnisは述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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