スカパー!とシャープ、1Gbps超のミリ波を利用した放送実験

永井美智子(CNETJapan編集部)2005年02月17日 19時28分
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  スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)とシャープは2月17日、ミリ波無線伝送技術と呼ばれる高速無線通信技術を利用した放送実験を共同で行うと発表した。マンション内に同軸ケーブルを配線することなく、スカパー!の衛星放送が受信できるようにする。

  ミリ波無線伝送技術は59GHz〜66GHzを使う無線技術で、通信速度が1Gbps以上(通信距離10m以上)という特徴を持つ。免許が不要なことから、今後の利用が期待されている技術の1つだ。

  スカパー!の常務取締役、仁藤雅夫氏によると、共同アンテナを設置して衛星放送を受信しているマンションの場合、「スカイパーフェクTV!」の全ての放送番組を受信するためには同軸ケーブルを2軸化する必要があるという。しかし2軸化工事を行うには高額の設備投資や複雑な配線工事が必要で、利用者の負担が重い。そこで同社では、ミリ波無線伝送技術を使って各家庭に番組を配信しようとしているのだ。

  「同軸ケーブルが1軸しかないマンションの顧客から、もっとさまざまな番組が見たいという要望は多かった。ミリ波無線伝送技術を使えば、2軸化工事に比べてかなり安いコストで番組が受信できるようになる」(仁藤氏)

ミリ波無線伝送技術を用いた受信システムの構成 (クリックすると拡大します)

  具体的には右図のような構成となる。まず、マンションの屋上にスカパー!用受信アンテナを設置し、各家庭に向けて送信する送信機につなぐ。各家庭はベランダに受信機を設置して放送を受信し、同軸ケーブルでテレビにつないで視聴する。

  今回シャープは、マンションの屋上に設置する予定の送信機と、各家庭用の受信機を試作した。いずれもアンテナ一体型構成で、大きさは12cm×6cm×4cm。無線伝送距離は35mといい、10階建て程度のマンションに対応する。

  両社は2005年4月以降、首都圏のマンションにおいて共同で実験を行う。その後、共聴アンテナと呼ばれるマンション用受信アンテナのメーカーと協議し、製品化や価格、販売方法などを決めていく考え。実用化時期については「早期に行いたい」(仁藤氏)と述べるにとどめている。

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