IBMは米国時間14日に、自社の扱うすべてのハードウェア製品でLinuxアプリケーションを利用可能にするプログラムを発表する計画だ。
「IBM eServer Application Server Advantage for Linux」(開発コード名:「Chiphopper」)というこのパッケージには、プログラマーをターゲットにしたツールやIBMのサポート/マーケティング資料が含まれている。LinuxディストリビューターでIBMパートナーのRed HatとNovellが同ツールの開発に関与し、また同プロジェクトを支持している。
ISV(独立系ソフトウェアベンダー)はこのプログラムに参加することで、x86プロセッサ搭載サーバで動くアプリケーションを、IBMのPowerチップ搭載サーバやメインフレームに対応させる作業が簡単に行えるようになる。
IBMでは、Chiphopperを補うために、自社のパートナープログラムの対象をLinuxアプリケーションを販売するISVにまで拡大していく。
IBMは、アプリケーションベンダーが同社のテストセンターを利用できるようにし、またWindows NTからLinux、あるいはSolarisからLinuxへの移行を検討している特定の顧客層に関してISVが共同で取り組みを進められる態勢を整える。IBMはx86チップからIBMのチップ用に移植されたアプリケーションをサポートするほか、プログラムの認定ロゴも提供する。
サーバ用OSとしてのLinuxに対する関心は、当初はIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のx86プロセッサを搭載した比較的低価格のハードウェアによって高まっていった。
だがIBMは、x86サーバやUnixサーバ、メインフレーム、iSeriesハードウェアなど、自社が販売するすべてのハードウェア上でLinuxを動作させようと投資を行ってきた。IBMによると、複数のプロセッサで動作可能なLinuxアプリケーション開発用に優れたツールが登場すれば、IBM製ハードウェアの売上拡大につながるという。なお、IBMのハードウェア売上に占めるx86系以外のサーバの割合は40%となっている。
RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは、「これは、Linuxはx86サーバ用にすぎないという各方面の認識を改める取り組みの一部といえる。IBMは、(アプリケーション)ベンダー各社の視野を非x86プラットフォームにまで広げたいと考えている」と語った。
Chiphopperには、プログラマーが潜在的な非互換性を特定するのに役立つ移植/テスト用のソフトウェアが含まれている。IBMによると、同社ではLinux OSの標準化バージョンとしてLinux Standard Baseを採用しているという。
Red HatとNovellはこのプログラムを支持し、これによってLinuxで動作するアプリケーションの数が増やせる可能性があると述べた。多くの法人顧客や一般ユーザーにとってアプリケーションの数は重要な要素だ。
「主要なエンタープライズアプリケーションが先進的なハードウェアプラットフォーム上で円滑に動作するよう確実を期すことは、Linuxの普及にとって非常に大切な点だ」と、NovellのHal Bennett(同社Business Development、バイスプレジデント)は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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