米テキサス州ダラスの連邦裁判所は、ファイル交換サイトLokiTorrent.comに対し、サイトの閉鎖と同サイトの完全なサーバログを映画業界団体の弁護士に提供するよう命じた。そのログには、数十万人もの人々を著作権侵害訴訟に巻き込む可能性のあるデータも含まれている。
全米映画協会(MPAA)は10日(米国時間)、LokiTorrentに対する迅速な勝訴判決を勝ち取ったことに加え、オンライン著作権侵害行為が行われている同サイト以外のハブに対する新たな攻撃活動を開始したことを発表した。これまでファイル交換用のハブとして機能していたLokiTorrentから提供されるデータは、同サイトを利用して違法行為を行っていたほかの人々を発見するための手がかりになるだろうとMPAAは語っている。
同サイトのトラフィック数の正確な数字の入手は困難だが、デルフト工科大学の研究者らによると、LokiTorrentのサイトでは、10月だけで80万件以上のダウンロードが行なわれたという。
MPAAの幹部らによると、LokiTorrentの情報提供により、今後個人ユーザーが提訴の対象になる可能性が極めて高いという。
MPAAの著作権侵害対策担当ディレクターJohn Malcomは、「(LokiTorrentから提供される情報により)同サイト上で、娯楽映画に対する目に余る著作権侵害行為を行った人々の情報が明らかになるだろう」と述べ、さらに「われわれは全ての情報に目を通した上で、いかなる措置を講ずるのが妥当かの決断を下す」と語った。
かつて、オンライン上で映画をダウンロードしたいと考える人々の間で最も高い人気を誇っていたLokiTorrentは、同サイトをはじめとするBitTorrent ベースのサイトに対するMPAAの最近の法的攻撃をあざける発言を行っていた。同サイトの運営者は、サイトの訪問者に、裁判でMPAAに対抗するための資金提供を呼びかけ、3万ドル以上を集めたと発表した。
LokiTorrentは、ほかの大手BitTorrentサイトと同様、違法にコピーされた映画、テレビ番組、ソフトウェア、音楽へのリンクを集めた情報提供の場として機能していた。同サイトは2004年10月時点で、3万種以上のファイルへのアクセスを提供していた。
また、ここ数カ月間にSuprNova.orgやYouceff.orgといった、より規模の大きなPtoPサイトが閉鎖に追い込まれたため、その影響で同サイトを利用する人が増えていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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