Intelは米国時間8日、マルチプロセッサ搭載サーバに64ビット機能を追加するXeonプロセッサの新シリーズを90日以内に発売すると語った。
IntelのPhil Brace(Digital Enterprise Group担当マーケティングディレクター)はこの日インタビューのなかで、「Potomac」および「Cranford」(ともに開発コード名)という2種類のXeonが、90日以内に各種システムに搭載される予定であることを明らかにした。
Intelが初めて出した64ビット対応機能をもつXeonは、2004年にリリースされたデュアルプロセッササーバ用の「Nocona」。64ビットチップでは、サーバが利用できるメモリ容量が大幅に増加する。しかし、32ビットプロセッサが抱える4Gバイトというメモリ容量の制限を4プロセッササーバでは超えられない可能性が高い。
ライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)は、Intelに先行して64ビット対応x86チップを投入した。しかし、x86サーバ市場のリーダーは依然としてIntelであり、2月末までに累計200万基以上の64ビット対応x86チップが出荷されることになる、とBraceは語った。
また、Intelの64ビット対応チップはトップエンドのItanium 64ビットプロセッサファミリーよりはるかに人気が高い。Itaniumをうまく動作させるためにはソフトウェアの書き換えが必要になるためだ。IntelはItaniumファミリーを2001年にデビューさせたが、2004年における同チップの販売数は20万基に満たない。
2つのプロセッサはともに4プロセッササーバ用に設計されたもので、Potomacはハイエンド向け、Cranfordは低価格マシン向けとなっている。大きな違いは高速キャッシュメモリの容量だけで、PotomacはXeonプロセッサとして過去最大の8Mバイトを搭載するが、Cranbrookの方はこれより少なくなる、とBraceは語っている。
Intelはさらに、デュアルプロセッササーバ用の新しいXeonと、64ビット機能搭載の新Pentiumを2週間以内にリリースすることも発表した。
PotomacとCranfordの両プロセッサは、新しい8500チップセットにも搭載されるIntelの新プラットフォームの心臓部になる。同チップセットは、メモリ、ネットワーク、入出力用サブシステムとの通信処理を行うサポートチップ群で、Twin Castleというコード名で呼ばれていたものだ。
Intelは今年に入って大規模な組織再編を行い、プラットフォーム別の事業部を新設し、技術部門とマーケティング部門がプロセッサやチップセットに関して緊密に連携できるようにした。これはノートPC向けのCentrinoチップバンドルをお手本とするための動きだ。「この技術を細切れに出すことは不可能だ」とBraceは述べた。
8500チップセットを採用するシステムには、デュアルコアチップへの移行の鍵となる技術も搭載される。このチップセットには、プロセッサと他のパーツとをつなぐデータ経路であるフロントサイドバスが初めて2つ設けられる。「デュアルコアに対応する機能が市場に登場するのに合わせ、このプラットフォームはそれらの機能を活用できるに設計された」(Brace)
デュアルコアチップは、同一のシリコン片上に2つのプロセッサエンジンを搭載することで、処理能力を高めている。Intelは今年、デスクトップPC向けとノートPC向けにそれぞれデュアルコアチップをリリースすることになっているが、デュアルコアのXeonは2006年はじめにならないと登場しない。
また、8500チップセットにはDDR2メモリに対応する。このメモリは現在普及しているDDR1に比べて動作速度はわずかに高速なだけだが、電力効率ははるかに優れている。また同チップセットには、現行のPCIよりも高速なPCI Expressや、プロセッサのアイドル時には自動的に動作速度を低速に切り替えて消費電力を抑える機能、さらにはシステム内でのデータ転送時に起こったエラーを修正する機能などが盛り込まれる。なお、フロントサイドバスの動作速度は667MHzになる予定だと、Braceは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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