Bush大統領は米国時間7日、歳出総額が2兆6000億ドル規模の2006会計年度予算教書を議会に提出した。それによると、社会福祉関係の予算はある程度削減されるのに対し、情報/監視技術への支出は増額される。
米政府は、連邦政府関係機関の情報技術(IT)関係予算を7%拡大する予定で、その一環として、コンピュータセキュリティ、技術革新、空中査察装置用の予算を数億ドル規模で増額するよう提案した。Bush大統領が2005年度予算教書で示した財政支出総額は2兆4000億ドルだった。
また、2006年度予算教書には、R&Dに対する税額控除を恒久化する案も盛り込まれた。この案は、米国のハイテク企業から強い支持を得ている。現在実施されているR&Dへの税額控除は特定の研究開発費の一部の税額を控除するもので、2005年末に終了する。
Bush大統領は、大量の文書とともに発表された声明の中で、「2006年度予算は、技術の発展および米国経済全体の革新を支援する」と語った。
2006年度予算教書の主な注目点は以下の通り。
Bush大統領が安全保障および防衛を重視する結果、国内の社会福祉関係の支出にしわ寄せが及んでいる。例えば、教育省や農務省のいくつかの計画が中止され、自由裁量で使える予算が若干削られる。
それゆえ、現在から米政府の次期会計年度が始まる2005年10月1日までの間に議会で激しい議論が行われる可能性が高い。Nancy Pelosi下院議員(カリフォルニア州選出・民主党)は7日、「大統領の予算案は、財政的にも道徳的にも無責任であり、指導力に欠けている」と述べ、さらに次のように続けた。「民主党は、歳出を税収内に抑える、規律ある予算編成を強く主張する。また、今後数カ月間、米国の中流階級の価値観を反映した予算成立に向けて戦ってゆく」
2006年度予算教書には、歳出抑制も盛り込まれてはいるが、政治的に優遇されている団体向けに数百万ドル規模の予算が組まれている。例としては、ウェスタンカロライナ大学の「コンピュータ工学プログラム」に90万ドル、ニューヨーク市のPro Co Technologyの「コンピュータトレーニングセンター」に25万ドル、ルイスクラーク州立大学による「電子商取引認証プログラム」の開発費用として7万5000ドル、ミシシッピー州の「技術文化」の強化を担っているMississippi Technology Allianceに60万ドルをそれぞれ拠出する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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