MP3.comを立ち上げて初期のデジタル音楽戦争の口火を切るのに一役買ったMichael Robertsonは、歯に衣着せぬ起業家として知られているが、その同氏が米国時間2日、オンライン音楽ビジネスに再び挑戦することを明らかにした。
現在LinuxベンダーのLinspireとVoIPサービス企業のSIPphoneの両社でCEOを務めるRobertsonは、顧客--なかでもLinuxコンピュータのユーザーのために--音楽配信サービスの選択肢を広げたいとの考えを明らかにした。同氏が計画中のサービスは、いかなる不正コピー防止技術も付加せずに音楽を提供する点で、同業他社のサービスと一線を画するものだという。
Robertsonはこの新サービスを、来週サンディエゴで開くDesktop Linux Summitカンファレンスで発表する予定だが、同氏はその評判通り、早くも辛らつな発言を口にしている。
「『独り占め』という言葉のつくものは、どんなものであろうと好きになれない」 と同氏は述べ、特に高い人気を集めるApple ComputerのiTunes Music StoreとiPodをやり玉に挙げた。「私は、あらゆる楽曲や携帯音楽プレイヤーに果物のロゴがついているような世界には住みたくない。とくにLinuxユーザーの場合は、完全な締め出しを食らっている状態だ」 (Robertson)
デジタル音楽の市場にはすでにたくさんの企業が参入しているが、Robertsonはこの市場に揺さぶりをかけて、現在のような分裂状態が続くのを防ぎたいと語った。
現在、オンラインで音楽を購入する際には、ユーザーが自分のMP3プレイヤーで再生できるフォーマットの曲が販売されているかどうかを確かめなくてはならない。たとえば、MicrosoftのMSN Musicサービスで買った楽曲は、そのままではiPodで再生できないといった問題があるからだ。
Robertsonによると、同氏のサービスでは販売する曲のフォーマットをMP3に限定するため、どんな音楽プレイヤーでも再生できるという。ちなみに、現時点でコピープロテクトのかかっていないMP3フォーマットの音楽を配信しているのは、eMusicのサブスクリプションサービスだけだ。
Robertsonは来週このサービスを提供開始すると述べ、あわせて数十万曲のインディーズ系などのアーティストの作品が、1曲あたり88セントで販売されると付け加えた。同氏はまた大手音楽会社とも交渉を進めていくが、この交渉は困難なものとなるだろう。大手各社は、デジタル著作権管理(DRM)技術で保護しない楽曲をオンライン販売することに、これまで強硬に反対してきているからだ。
Robertsonによると、MP3Tunesはまた、Linuxベースの「音楽専用機器」もリリースする予定だという。この製品は、ユーザーがその中に保存した音楽を他の機器をつかって聴けるようにするものだが、その詳細や仕組みについては、同氏はコメントを差し控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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