日立製作所(庄山悦男社長)が発表した04年度(05年3月期)第3四半期連結決算は、売上高2兆1237億円(前年同期比4%増)、営業利益343億円(同46%減)となり、情報通信システム部門のサーバーやHDDなどの価格下落の影響やデジタルメディア・民生機器部門の赤字が影響した。エルピーダメモリ上場にともなう持分変動利益と構造改革費用の減少により、税引前当期純利益は709億円(同54%増)、当期純利益は前年同期に比べ10倍の266億円となった。
主力の情報通信システム部門は、ソフトウェアが減少したがアウトソーシングは堅調に推移し、売上高4824億円(同6%減)だったものの、ハードウェア全般の価格下落が影響したことで営業利益は21億円(同84%減)と大幅に低下した。
デジタルメディア・民生機器部門は、プラズマテレビや液晶プロジェクタは伸長したが、白物家電の苦戦や日立マクセルの減収も影響し前年並の売上高3283億円(同1%減)にとどまった。営業損失は17億円。前年同期の113億円の黒字から赤字に転落した。
今後の改革方針として執行役専務・八丁地 隆G−法務・コミュニケーション部門長は、「プラズマ事業強化に向けた富士通日立プラズマディスプレイの子会社化のほか、新事業に向けて積極的に推進していく」と語った。
05年3月期通期の業績については、10月に発表した見通しを修正した。情報通信システム部門の採算が悪化したことや、それにともなう事業構造改善のための費用を計上することで、前回発表の売上高8兆9000億円を8兆8400億円、営業利益3000億円を2600億円、税引前純利益3000億円を2350億円、当期純利益1000億円を500億円に下方修正した。
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