Dellは米国時間2月1日、企業ユーザー向けPCの新モデルを数多く発表したが、同社によるとこれらは前機種と比べ、さらに高速で安全性も高く、しかもより環境にもやさしいつくりになっているという。
世界のPC市場で首位に立つ同社は、同日ニューヨークで新製品説明会を開き、ノートPCのLatitudeとモバイルワークステーションのPrecisionの新製品を発表したほか、デザインを一新したビジネスユーザー向けデスクトップPCのOptiPlex GX280も披露した。
新しいLatitudeには、Intel Centrinoチップバンドルの最新版が搭載され、セキュリティ用チップも追加されている。
OptiPlexは、ミニタワー型もしくはデスクトップ型の筐体を採用するが、今回PCの冷却性能を高め、同時に騒音軽減を図るために考えられた新しいシャーシに変更された。また、同マシンには危険性の少ない原材料でできた部品が使われており、鉛や他の有害物質の量も少なくなっている。Dellによると、この変更はEUの定めた「Reduction of Hazardous Substances directive(有害物資削減法)」の基準を満たすための措置だという。さらに同社は、ノートPCにセキュリティ鍵機能を追加したが、この機能を使うとコンピュータ内にあるファイルを特定のマシンに関連づけられるため、ネットワーク経由の侵入行為や知的財産の盗難を防げるという。
市場調査会社IDCのPC業界アナリスト、Roger Kayは、他の大手PCメーカーもすでにこうしたセキュリティ機能を採用しており、市場リーダーのDellもこの機能を採用したことで、市場での同機能の普及が進むと述べている。
「こうした技術の普及についてはどれも同じことがいえる。つまり、Dellが新しい分野の技術を採用すると、その技術は主流として認められたことになる」(Kay)
最近のDellには、プリンタやプラズマテレビ、さらにはDigital Jukeboxという携帯音楽プレイヤーなど、もっと有名な製品もいくつかあるが、しかし企業向けのデスクトップPCやノートPCは同社のビジネスの屋台骨となっており、同社は売上のおよそ85%を企業顧客から上げている。
1日に発表された新製品は、この先かなりの期間にわたりDellのビジネスの中核となるものだ。同社は今回、ユーザーの要望を反映した多くの特徴を盛り込んだと説明している。新型Latitudeには、3種類の金属を組み合わせたシャーシが使われており、マグネシウム合金のディスプレイカバーはスクリーンを保護する役目を果たす一方、硬質のキーボードは触感を向上させるとともに内部への水こぼれ防止にも役立つほか、頑丈なヒンジにより全体の耐久性が向上している。
このマシンには、Trusted Platform Modules (TPM)というセキュリティ技術も搭載されている。これはデジタルコンテンツに鍵をかけて、特定のPCでしか扱えないようにするというもの。また、Dellはセキュリティ用マイクロチップを埋め込んだ特製のクレジットカードを持つユーザーだけにネットワークアクセスを認めるスマートカードリーダーも提供する。
今回発表されたLatitudeは、モデルD410/D610/D810の3種類で、Intelの最新のCetrinoチップ群が組み込まれており、CPUには最大で2.13GHzのPentium Mプロセッサ、Intel Mobile 915チップセット、複数種類の802.11無線LANモジュールの組み合わせが提供される。Latitude購入者は、光学ドライブを選択できるほか、最大100Gバイトのハードディスクを選ぶことも可能。なおバッテリ持続時間は平均で5時間になると、Dellでは説明する。
Dellのモバイルワークステーション、Precisionは、デザインなどの業務を出先でも行えるようにするため、より強力なグラフィックス機能を備える。Precision M70は6.7ポンドの重量があり、15.4インチのスクリーンとNvidiaの256MBメモリを内蔵したQuadro FX Go1400グラフィックカードを搭載する。このマシンの価格は、最小構成時で2099ドルとなっている。また、4.9ポンドとより軽量なPrecision M20は、可搬性とパフォーマンスのバランスを重視したモデルで、14.1インチの画面がついて、1649ドルからとなると、Dellは声明の中で述べている。
デスクトップPCについては、OptiPlex GX280に採用されたBTX(Balanced Technology eXtended)の設計が静音化に一役買っている。BTXでは前方と後方にそれぞれファンを1つずつ備え、プロセッサやグラフィックなどのコンポーネントを両者の間に配置することで風通しをよくしているため、優れた冷却効果が期待できる。ファンのサイズは現行のデスクトップPC製品よりも大きく、高速回転させないことでノイズを減少し、しかもより多くの空気を流すことが可能となっている。また、製品の前面には4つの発光ダイオードが配置され、IT部門のスタッフがハードウェアの異常を検出するのに役立つようになっている。
OptiPlex GX280は、デスクトップPC型とミニタワー型が提供される。CPUはIntelのCeleron DやPentium 4プロセッサから選択が可能で、メモリは256MB〜4GBのDDR2を、ハードディスクについては20〜250GBまでの容量のものを選ぶことができる。またグラフィック機能については、Intelの統合型グラフィックチップGMA900から、128Mバイトのメモリを搭載したATIのRadeon X300グラフィックカードまで、さまざまな選択肢が揃っている。OptiPlex GX280の最低価格は737ドルになるとDellは声明の中で述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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