三洋電機、第3四半期決算は176億円の最終赤字、デジカメ事業再構築へ

 三洋電機(桑野幸徳社長)は1月31日、2004年度第3四半期(10−12月)の業績を発表した。それによると、売上高は6206億4600万円で前年度同期比5%減にとどまったものの、新潟県中越地震で半導体子会社の操業が停止したことによる機会損失やデジタルカメラの収益性悪化などにより、営業利益は同64.4%減の103億5700万円、最終損益は176億1700万円の赤字となった。同社では、主力製品のデジタルカメラの事業強化を目的に、今年5月からベトナムで新工場を稼動させる計画を明らかにした。

 部門別では、コマーシャル部門は大型エアコンが伸びたことにより、前年度同期比4.2%増の550億3000万円となった。しかし、コンシューマ部門はデジカメの収益性悪化で同4.0%減の3160億3600万円、コンポーネント部門は液晶パネルや半導体の低迷で同9.1%減の2304億1300万円と振るわなかった。

 とくに半導体は、新潟県中越地震関連で機会損失にともなって120億円の営業利益の減少効果があったほか、棚卸廃棄損などを営業外費用に計上したことで最終赤字につながった。

 三洋電機では、競争激化により収益性の低下しているデジカメについて、5月にベトナムで新工場の稼動を計画していることを明らかにした。新工場では、OEM供給先の光学メーカーと共同で設計・開発を進めるなど新たな取り組みを行い、日本に比べ普及率の低い海外市場をターゲットに商品力のある製品の製造を手掛けるものとみられる。

三洋電機

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