シトリックス・システムズ・ジャパンは、1月26日、新社長の紹介と2005年の戦略についての発表を行った。1月6日付で、新社長に就任した大古俊輔氏は、1977年に日本IBMに入社し、以来、プロセッサの開発やマーケティングセールスのマネジメント、オートノミックコンピューティングなどを担当した人物。
大古氏は、「昨年度、アクセスインフラを強化するための4製品を投入したことや、SBC(Server Based Computing)が情報漏えい防止などセキュリティ対策の有効策として認知されたことなどを受けて、対前年度120%を達成した」と高成長率になったことを説明。ユーザー数の合計は、ワールドワイドで16万社6000万人に達したという。また、2004年度はアプライアンスとアプリケーションの企業を買収したことによって、情報インフラを提供する総合ベンダーへの転身を遂げたことで、サービスの幅が広がったと述べた。
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 大古俊輔氏 |
2005年の計画について、大古氏は「MetaFrame製品群は、アクセスインフラとして認知されており、5%程度と成長が鈍化しつつあるIT市場の中でも引き合いは強く、アクセスインフラは12%に及んでいる。こうした流れを追い風にして、2005年度もワールドワイド・日本ともに対前年比120%の成長を目指す」と来期の目標を掲げた。
日本においては、個人情報保護法やe文書法の施行に伴い、クライアントにデータを置かず、サーバですべてを管理するためのソリューションとして注目を集めていることを説明。また、グローバルで展開する企業などでは、事業所間で異なるセキュリティレベルを高水準に保つためのソリューションとしても活用され始めているという。
大古氏は、こうした状況を背景に「エンタープライズ系のシステムにも多数採用されたことも合わせて、多年度契約を盛り込んだフレックスライセンスがのびていくだろう」と予測している。
同社は、先に挙げたセキュリティ対策のほかに、「MetaFrameのモバイルでの活用」「ディザスタリカバリとSBCの組み合わせによるビジネスの継続性の向上」「システムの運用・管理費削減によるROIの追求」「MetaFrameの導入によってできる空き帯域枠を活かした、VoIPなどのアプリケーションの利用促進」「シンクライアントへの注目度の向上」などを切り口にビジネスの拡大を図る。
このほか、パートナーとの積極的な協業やプログラムの強化、エンタープライズ企業内での利用率の向上、今年度中の新製品の投入で営業力を強化する予定。パートナーに関しては、出荷前製品の積極的な情報提供やトレーニングを主に強化。エンタープライズ市場では、採用企業数を増やすと共に利用範囲の拡大を促す。新製品に関しては、「MetaFrame Access Suite」の後継製品を出荷する計画を立てている。
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