Napsterが再び、知的財産(IP)関連の訴訟で標的にされている。今回、特許侵害で同社を訴えたのはSightSound Technologiesという小さな会社だ。
SightSoundは、音楽やビデオのオンライン販売およびダウンロードに関する特許をいくつか保有している。同社は米国時間10日に、裁判所に対して、この訴訟が終結するまで、Napsterによるオンラインでの音楽販売を差し止めるよう求めた。SightSoundの幹部は、Napsterとのライセンス交渉が失敗に終わり、この訴訟に発展したと説明している。
SightSoundのCEO(最高経営責任者)Scott Sanderは、「この訴訟は、友好的に解決できたかもしれない長いプロセスの結果で、残念に思っている」と声明のなかで述べている。「Napsterがこうした行動に出たことに驚いている。同社は、自社ブランドの価値復活に取り組んでいるように思えた」(Sander)
SightSoundは、電子商取引や動画ストリーミングなど、多くの人々が「インターネットの基本機能」とみなすものから特許使用料を得ようとし、そのことで批判を浴びている企業のうちの1社。これらの訴訟や使用料を要求する動きが急増したことが原因となり、多くのネット企業では財務面の不確実性がさらに高まっていることから、特許取得プロセスの改革を求める声も出てきている。
しかし、特許侵害に関する訴訟のなかには、基本的な事柄に関するものであるにもかかわらず、特許保有者が高額の賠償金を勝ち取った例もある。SightSound自体も、Bertlesmann子会社のCDNowと長期にわたって係争した末に、330万ドルで和解に合意した過去がある。
この訴訟が完全な審理に発展しなかったこと、ならびにCDNowが特許侵害を認めなかったことから、この主張にはいまでも法廷で覆される可能性が残されている。
Napsterが提訴されたことで、同社の今後の事業計画も一部が明らかになった。SightSoundによると、両社はライセンス契約を締結するところだったが、Napsterはオンラインでの動画提供に関するライセンスも求めてきたという。
NapsterのCEO、Chris Gorogは、以前に行われたインタビューのなかで、今後、音楽以外のメディアの販売にも事業を拡大させていきたいと述べていた。だが同社はこれまでのところ、そのような計画を正式には発表していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス