ストリーミングメディア業界にとって、Acacia Researchから手紙が送られて来たら、それが意味するものはただ1つ--特許訴訟を起こされる可能性が高いということだ。
企業としての知名度は低いものの、訴訟好きで知られるAcacia Researchが現在、事業範囲を広げようとある事に取り組んでいる。これにより同社の潜在的利益は大幅に拡大する。しかし、その一方で、特許関連の新たな頭痛の種が、ハイテク業界にもたらされることになる。
Acacia Researchは米国時間16日、Global Patent Holdingsを買収することで同社と合意したと発表した。Global Patent Holdingsは傘下にTechSearchなど様々な部門を抱え、各部門はIntel、Sony、Samsungなどの大手企業や、小規模なハイテク企業を無数に提訴したり、特許ライセンス契約を締結したりしてきた。
この買収により、何十種類もの技術を所有する巨大な特許企業が誕生することになる。これらの技術の多くは、インターネットや個人向け商品で使われる基本的な要素となっている。Acacia Researchは今後のさらなる買収を示唆している。
Acacia Researchの最高経営責任者(CEO)Paul Ryanは声明のなかで、「Acaciaは技術ライセンシング企業最大手を目指しており、今後も特許ポートフォリオの拡大を続けていく」と語った。
Acaciaによると、同社は今回の買収により、PtoP通信、表計算ソフト、双方シミュレーションシステム、その他数十種類の技術に関連する特許も取得するという。その特許ポートフォリオのうち11の技術は、これまで複数のライセンスで少なくとも部分的に使用されてきており、4000万ドルの収益をもたらしたという。
Acaciaの知的財産部門は製品開発やサービスの提供は一切行っていないが、同社の関連会社がバイオテクノロジ/ゲノム製品を開発している。しかし、Acaciaは訴訟好きな企業として主にストリーミングメディア業界で有名になった。同社は、オンラインポルノ業界に大きな打撃を与えただけでなく、ある技術のライセンス料を徴収しようとケーブル大手のComcastを提訴したことさえあった。Acaciaは、その技術について、ネット上でビデオクリップを配信する際の基本的手法として使用されるものだと主張している。
同社のこれまでの取り組みは、大半が成功している。未解決の訴訟も多く残っているが、同社はこれまで227社と和解しており、その中にはDisneyも含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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